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春が青い  作者: 志村巧
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寄り道

「□子と何話してたのよ?」

教室に戻った俺に後席の〇子が背中をつついてくる。

「あんなところでやけに親密そうにさ」

上目づかいで窺うような口ぶり。






挿絵(By みてみん)


「別に大したこと話してないよ。ただの世間話」


「え~、そんな雰囲気には見えなかったけどな~」

疑わし気な表情で唇を尖らせる。

「考えすぎだって、生徒会で話し合われる部費の配分の話ししてただけだよ」


「フーン」

返事はしたが何処か不満げな〇子。


「てか、なんでそんな事聞くの?」

問い返す俺の質問にこれまたわずかに口を尖らせて答える。


「確かにあたしの考えすぎなのかもしれないけどさ」

一拍置いて俺の顔を見つめる。

「?」

視線の意味が解らず、〇子の顔を見つめ返す。


「階段の上から見えた二人の姿、なんか訳ありに見えたんだよね」


「??」

全く持って理解出来ない。

確かに少し階段の下で話し込んだが、特に□子との間に親密な関係も無ければ、親密な話をしていた訳でも無い。


だけど人の目にはそうは映っていなかったと言う訳か。


〇子の意見に正直意表を突かれなんと返事をしていいか思いつかない。


「で?ホントの所はどうなのよ?」

揶揄するように薄ら笑いを浮かべながら聞かれても困るんだが。


なんと返事をしていいものか考えてふと思いつく。

「〇子?お前もしかして俺に気が有るの?」

「!!!」

飛び上がる様な〇子の反応にこっちが驚く。


「ナ、何馬鹿な事言ってんのよ!」

「た、たまたま通りかかった二人の姿が!」

「だ、だいたいあんなところで!」

「あ、あったまおかしいんじゃないの君!」


あからさまに取り乱した〇子の姿にチキンな俺は為す術を知らない。


こんな時どう対処したらいいのか誰かに教えて欲しい。


「ほ、ホントどーかしてるよ!」


わかったから、真っ赤な顔で周りに聞こえるような声で喚くのは勘弁して欲しい。



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