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春が青い  作者: 志村巧
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踊り場

言わなくちゃいけないのはわかってる。

言えないのも痛いほどわかってる。


今年言えなかったら恐らく来年にはもっと言えなくなる。




挿絵(By みてみん)


俺と〇代の人生の交差点は高校時代を過ぎてしまえば次はいつになるか。


そもそも次出逢う時、〇代の苗字が今と同じとは限らない。


登校して教室に入る時。

休憩時間になる度。

授業を終えて帰り支度を始める時。


気が付けば〇代の姿を目が追いかけている。


いつからだろう、いつから気になりだしたのか思い出せない。


気になっている理由も情けないことに自分でもわからない。


兎に角気が付けば〇代の事を考えている。


これがいわゆる恋煩いという状態なのは自覚出来ているのに。


何故こうなったのか。


何故こうも想ってしまうのかまるで理解出来ない。


これが悶々というやつなのか。


自分で自分が理解出来ないとか。

心が門に閉じ込められて、表に出られない状況。


おかしさも通り越して呆然とする。


まだ2年生だから何とか許されているんだろうが。

来年になれば恐らくもう手遅れ。


踊り場の窓に肘を掛け、行き過ぎる生徒達を横目に見る。


下へ行く者、上へ行く者。立ち止まり談笑する者。


俺は今、高校生活でも、人生の一場面でも、踊り場に居るのかな。


物思いに耽る俺に声を掛けて来る女子が居る。


「よお、〇代。なんか用?」



神様が、邪魔だから早く行けと急かしているんだろうか。






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