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実りの秋
「体育祭も終わったねー」
放課後、部室へ向かう廊下、帰宅部の女子生徒の群れを見やりつつ、隣で呟くクラスメイトの〇子。
最近は6月頃に済ませる学校も多いようだが、我が校の体育祭は10月。
残暑も引いて天候さえ恵まれれば最高の時期だ。
「何を思ったかあててみようか?」
「?」
女子生徒を眺めていた俺はギクリとする。
「実りの秋だな~と」
嫌らしい笑いを浮かべて茶化す。
確かに居並ぶ女子の眩しい太ももに見とれていたのは間違いないが。
そこは分かっていても言葉を濁すのが思いやりというものではないのか。
まあ、女子高校生に男子高校生に対するそこまでの思いやりを期待するのは無茶だろうが。
「ジロジロ見てると気付かれるよw」
「言うなよ!それこそ気付かれたらどうしてくれるんだ」
「そんなの見てる〇〇君が悪いんじゃないw」
こっちの会話が聞こえた訳ではあるまいが、こちらに近づいてくる女子群に思わず顔を俯けるチキンな俺。
意地の悪い〇子が俯く俺の後頭部を撫でながらのたまう。
「実るほどこうべを垂れるなんとやら」
うるさいわっ!




