ラブレター
「なあ?」
「男がラブレター渡すとか、やっぱり女々しいとか思われるもんかなー?」
「何その時代遅れの考え方w」
鼻で笑う□子。
「いくらSNS全盛とはいえ手書きのラブレターとか女子には充分嬉しいもんなんだけど」
「ときめく?」
「うん、ときめく」笑顔で答える□子。心の中で密かに快哉を上げる。
「成程女子的にはアリだと?」
「もちろん相手次第だけどさ」
「んで、例えばどんな文面がいいのかな?」
「んー直接的な愛情表現よりも詩的な…」
「ほうほう、それで?」
「でも、くどすぎるのもアレだしなー」
「注文多過ぎるわ!」
「女の子のハート掴みたかったらその程度の努力出来なくてどーするのよ」
俺が振った話題だけに強く口答えも出来ないが。
「例えばさー好きだと告られるのと、付き合って欲しいと言われるのではどっちがいいもん?」
「返事がし易いのは付き合って、かな?只好き、だけじゃ返事に困るし」
「成る程~」
「やけに具体的な質問だね」
「気のせいだよ」
こっちの顔色を窺うような□子の視線を避けて質問を続ける。
「最後にもうひとつ」
怪訝な顔をする□子に。
「ラブレター貰うなら休憩時間?それとも放課後?」
しばし考え込んだ□子の答えは。
「んーやっぱり放課後かなー」
「解った」
立ち上がって□子に告げる。
「んじゃ、明日の放課後宜しく」
「え?」
キョトンとする□子を残して教室を後にする。
□子自身が言ったんだ。明日になって受け取れないとは言わせない。




