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春が青い  作者: 志村巧
22/57

分岐路

「あたし就職だからさ」あっさり言う▽子。




挿絵(By みてみん)



「自由になる金手に入るのか」

「それはそれでいいよな」

正直どう答えていいか迷っておためごかしの発言をしたのは否めない。


進学しない、いや出来ないのか分からないが。


それも人生の選択肢のひとつだとは分かっているつもりなのに何故か答えに詰まる俺は、まだまだ調子に乗っている小僧っこだと言う事なんだろうな。


▽子の答えに詰まって気付いたのは「この娘は俺より先に大人になるんだ」という事実だった。


それに思い当たった時、何処か同情の気持ちで見ていた▽子が羨ましくなった。


「デートもすんのか」

「?w」


「車に乗ってドライブとかもするんだろうな」

「そんなの〇〇君だって出来るじゃないw同い年なんだし」

▽子の言う通りだが、同じようでまるで違う。


「勉強しに行くんだぜ?」

「ホントに勉強するの?」

その口ぶりには揶揄も含まれてはいるが、羨ましさもそれ以上に含まれているのが読み取れる。


「結局さ。進学しても就職しても」

「欲しいものが全部手に入るって訳にはいかないってことだ」

「まあそうだね」

微笑みながら俺に答えを返す▽子の表情は何処か楽し気だ。


おかしい。

進学しない▽子が進学組の俺を羨む構図だったはずだが、なんで俺が▽子の未来図を羨む様な気分になってるんだ。はなはだ不愉快だ。


「結婚もするんだろうな」

「馬鹿っ!真面目に勉強してこいw」

怒られた…。



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