プロローグ
「・・・では、次のニュースです。この番組でも三年前の当時から毎日放送させていただきましたが、二日後、世界が終わります。繰り返します、二日後に世界が終わります。この番組をご覧のみなさん。ご覧になっていない方。様々な方がいらっしゃると思いますが、繰り返させていただきます。二日後、世界が終わります。世界が終わることを忘れている方もいらっしゃると思われます。この番組をご覧の皆さま、お近くの方にご確認されてはいかがでしょうか。
それでは次のニュースです。本日未明に起きた○○高速道路における事故で・・・」
ふとニュース画面の左上を見て時間を確認すると23時45分と、キリのいいタイミングで時間を確認することができた。
「うーん・・・寝るか」
と固まっていた体を軽く伸びをしてほぐしつつ、つぶやきながら誰も見なくなったテレビの電源を切り、二階の自室へと足を運んだ。部屋へと向かうその途中で妹の部屋の前を通ったのだが、中から「回線落ちとかやめて・・・いやマジで萎えるんですけどー・・・これだから・・・」なんて声が漏れてきたが、どうせ趣味のゲームでもしていたんだろう。相変わらずなことで。
「いや、それは自分もか・・・結局は兄妹だもんな」
なんてテキトーなことをぼやきつつ自室に入り、電気もつけずにそのままベッドへ直行する。ベッドで横になり、ズボンのポケットからスマホを取り出し時間を確認、
「23時50分か・・・あと24時間と10分もあるのか」
世界が終わります、なんてニュースを見た直後にもかかわらずこんな考えでいいのか疑問になる発言だがこれでいいのだ。別に自分に限った話でもないし。まあ、真逆の考えを持つ人もいるのは事実。
「・・・寝よ・・・」
うだうだ今更考えてもしょうがない、とりあえず寝ることを最優先にして行動しようと頭を睡眠モードに切り替えブランケットを体に羽織る。寝ることは大事ですからね、うん。別に考えるのがめんどくさくなったとかそんなことでは決してないよ、いやマジで。
「おやすみー・・・」
小声でらしくもない寝る前の挨拶をしつつ、目を閉じ眠りに身を委ねることにした・・・。
「また回線落ちされたー!!!!ふざけんなよー!!!!」
「いや、うるせーよ!!!時間考えろよ!!いちいち騒ぐな!!寝れねーじゃないか!!」
隣の部屋から唐突に聞こえてきた妹の絶叫に思わず反応して、ブランケットを投げ捨て上半身を起こしながらこっちまで大声を出してしまった・・・。
「だってだってさーお兄ぃ聞いてよーねぇお兄ぃ・・・」
なんか隣から妹の言い訳が聞こえてきてはいるが無視して横になり、また眠りにつこうとする。
自分の家は相変わらずだな、と思い自分でも気づかないうちに少し微笑みながらもう一度彼はつぶやく
「おやすみ・・・」
「おやすみー!!!お兄ぃ!!!」
「・・・いや、うるさいって言ったじゃん、話聞いてた?ってかなんで聞こえてるんだよ・・・」