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もりとき怪談 第一集【一話完結/短編怪談】  作者: もりとき


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10 お店を移動した男の子


 前にも話したバイトしてた本屋さんの話をもう一つ。

 店内に子どもなんていないのに、パタパタ走る音がするって言ったじゃない?

 今度はその話ね。


 私は霊感なんてないんだけど、その走ってる子ね、なんとなく男の子だと思ってたんだ。

 開店の1時間前に出勤して、その日発売した雑誌とかを並べてると、誰もいないのにパタパタ走ってる音がするのね。

 朝の時間帯は、自称霊感持ちのおばさんパートと組むことが多くてさ。

 もちろんそのおばさんパートにも足音は聞こえてるの。


私「この店、ときどき走ってる足音がしますよね」

おばさん「そうだよね。でも悪いものじゃないから」

私「あれ、男の子じゃないですか?」

おばさん「そうだけど、怖がるから他のバイトの子にはそんなこと言っちゃダメよ」


 自称霊感持ちのおばさんパートのことは信用してなかったんだけど、一応意見も一致したし、その足音はやっぱり男の子だったんじゃないかなって思ってる。

 誰もいないし、どうしたって落ちることがないような場所に置いてある文具が突然落ちたりしたのね。そういうの、全部その男の子のイタズラなんだろうなって思ってた。


 私、バイトの中ではリーダーでさ、主に書籍部門をメインで管理してたのね。それで、おばさんパートはパートリーダーみたいな感じで、文具部門を管理してた。

 そんな感じだから、いつだったか店長と私とおばさんパートで、閉店後にミーティングしてたのね。

 店内の奥に本とかを乗せる作業台があって、そこに椅子を置いて、今後のお店の展開について話してたの。

 そしたら急に店内のスピーカーから洋楽が大音量で再生されてさ。おばさんパートはビビっちゃって悲鳴上げて、店長と私で確認したらレジ横にあるCDプレイヤーが稼働しててさ。開店中はそれで店内に音楽流してるんだけど、もう閉店してるから私達以外は誰もいないし、私達も離れた場所にいるから急に動き出す訳ないじゃん。

 おばさんパートがパニックになっちゃってミーティングどころじゃなくなったから、その日はお開き。

 私はあれも、あの男の子のイタズラじゃないかなって思ってるんだよね。


 まぁ、そんな感じで見えない男の子がいるなぁって思ってたけど、実害があったり、すごい怖い思いをするってこともなかったから、何も考えずに仕事してた。

 そうやって過ごしてたある日、そういえば最近パタパタ走る足音を聞いてないなって気が付いたんだよね。

 だからおばさんパートに「最近、足音がしなくなりましたね。男の子、どっか行っちゃったのかな」って言ったのよ。

 そしたらおばさんパート、「今は本店にいるよ」って。


 前にも言った通りこの本屋って個人経営なんだけど、私がバイトしてたところって2号店だったんだよね。東京に1号店があって、そこが本店なのね。

 で、おばさんパートは車で本店と2号店を行き来したのよ。売り場のディスプレイが上手だったから、店長に本店のディスプレイも依頼されてたのね。


 おばさんパートが言うには「私の車に乗ってきたみたい。今は本店で、走り回ってるよ」って。

 幽霊かどうか知らないけど、やっぱり男の子だから車が好きなのかね?

 でもそれ以降、走り回る足音は全然しなくなったし、本当に本店に移動したんだなって思ったよ。



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