現実が崩壊しました。
「「じゃんけんポン!!!」」
「っしゃぁ、俺の勝ち!コーヒー牛乳買ってきて!あ、勿論お金は渡すよ?」
「当たり前だろ…。まぁ負けたもんはしゃーないわ。買ってくるから待っといて。」
僕たちの学校の昼休みの日常である。いつも早足で屋上にいっては僕、ソウマと友達のタケシとで購買まで何かを買わせにいくための賭けのじゃんけんをしている。
(これで俺の記念すべき30勝目!まぁ50回くらい負けてるけど。)
そんな敗北者エピソードを心のなかで呟いてタケシの帰りをまつのだった。
「…おっせぇ!」
いつまでたっても帰ってこねぇ。タケシは俺のことバカにしてるのか?
(グダグダ言うだけ時間の無駄だ、探しにいくか。)そう思って屋上のドアを蹴破ってタケシのことを探しに行った。
「ど・こ・に・も・いねぇじゃねぇかぁ!!」
校舎内でいきなり叫んだもんだから周りの生徒達が一斉にこちらのほうを向いて、まるで僕のことをヤバイやつのようにして見つめてくる。まあ当たり前なんだけど。え、ほんとにどこにいるの?廊下を見渡したときも、トイレの個室を覗いたときも、全然気配を感じなかったんだよなぁ…。さすがに授業にはくる…よな?そう信じて教室に戻った。
授業後、放課後になったので教室内を見渡した。しかし、タケシはいなかった。
(さすがにおかしいよな…。)
いくらたまに授業をサボるといっても一時間分の授業しかサボる度胸のないあのタケシはだぞ?内申点にも響いてくるはず。あいつならチキって戻ってくるはず。なのに戻って来ないなんて…。
(考えてても仕方ないな。)
取り敢えず家に帰ることにした。
「お帰り~兄貴。」
「マジでお前可愛げ無いよな。もうちょい甘えててくれても良いんだけど。」
「あっそ。キモいね。」
「そんなこと言わないでよ…。」
「あっ、メンタル傷ついてる。」
「誰のせいだと…。」
いつもの会話である。でも今日は妹、ハヤテの機嫌が少しいつもより悪いっぽい。
(今日は変なことばっかり起きるなぁ。)
何でだろ、いつもとなんか違う…?何だろ、この違和感…?
「取り敢えず洗濯物取ってくるわ。」
「りょ~か~い」
気にしても仕方ないことを気にする位ならさっさと洗濯物取り込んで畳まないと…。ハヤテにも手伝ってもらうか。そう思いながら二階にあるベランダにむかう。
(うわ…セーターに色移りしてんじゃん。誰だよ洗濯機にセーターぶちこんだやつ…。)
色落とすのめんどくさいんだぞ。なかなかにショックを受けた。
(洗濯バサミみ落ちてるし。)
拾って突っ張り棒に着けようと上を向いたときだった。空が今までの違和感を確信にした。
「な、な…何だよあれっ!!」
「うるさいわ!」
「ちょ、お前も空見てみろって!」
「な、な…何だよあれっ!!」
(真っ赤に染まった空を見て全く同じ反応。やっぱり親子なんだなぁ…。いやいや違う違う、やっぱり幻覚じゃなかった!見間違いじゃなかった!)
取り込んだ洗濯物を手に抱えて階段を駆け下りる。
「兄貴、何だよあれ…。どうにかしてよ!」
「だよなぁ、でもどうしようもないな。気色悪いけど。」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!」
「なぁハヤテ?なんか外から大爆音聞こえなかったか?」
「聞こえたけど…まさか!」
両者焦っていたが取り敢えず情報がほしかったのでテレビをつけてみる。いつものマスコミならこんな大スクープ、見逃すはずがない!
(えー、大変申し上げにくいのですが、今の世界は崩壊します!)
「「な、なんだって~!!!!!」」
兄弟二人とも声にならない声で叫ぶと、外からまたさっきの大爆音が聞こえてきた!本当に滅びそう!
「どうしよ兄貴~!」
「馬鹿お前抱きつくな!」
「「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
そうして、世界は滅びたのだった。




