第4話「眠気」
俺は門番!
今日も相棒の彦兵衛じいさんと門を守っている。門番にも、もちろんお昼の休憩があるのだがお昼を食べてからの午後の門番が眠くてつらい。俺は思わずうとうとしてしまう。俺が眠りそうになるとじいさんが門を棒で叩いて起こしてくれる。
コンコン
「すまん」
「気をつけるんじゃよ」
「ああ。気を付ける」
眠る気は無いのだが俺の意識はいつの間にか持っていかれ、ついまたうとうとしてしまう。
コンコン
「すまん」
「気をつけるんじゃよ」
「ああ。気をつける」
少し伸びをして体をほぐした。少しすっきりしたのでもう眠ることはないだろう。ああ。でも早速。眠く……なって……きた。
コンコン
「すまん」
「気をつけるんじゃよ」
「ああ。気をつける」
どうしても眠気に勝てない。なぜだろうか。さすがの俺も人間関係に疲れたのかも知れないな。とても眠くて仕方がない。今日帰ったら……早めに……寝よう。
コンコン
コンコンコン
コンコンコンコン
「む。起きなくなったようじゃな。さてどうしたものか。仕方がないここはわしの槍術を披露しよう。はああああ」
カコーン
「あたー。何しやがる!」
「良い音がしたな。中身が無いんじゃないのか。ほっほほほほ」
「ふざけるな。これ以上馬鹿になったらどうする!」
「お主が中々起きないから。棒で叩いてやったまでじゃ」
「それにしてもやり方があるだろうが! せっかく石油を掘り当ててきゃっきゃっうふふな夢を見ていたのによ!」
俺は思わずじいさんに掴みかかって怒鳴った。興奮していたので思ったより大声が出ていたらしく中から主人が出てきた。
「静かにせんか。お前ら!」
「申し訳ございません」
「申し訳ございません」
さすがの俺たちも主人には頭があがらないので平謝りした。主人は憤慨しながら屋敷の中に戻っていった。
「お前のせいだ」
「何を言っておる。お前のせいじゃろ」
「お前のせいだ」
「何を言っておる。お前のせいじゃろ」
俺たちが責任の擦り付け合いをしていると再び主人が出てきて。怒鳴られた。
「貴様らいい加減にせんと首にするぞ!」
「申し訳ございません」
「申し訳ございません」
俺たちはまた怒られた。主人は先程よりも怒りが増していたようでどかどかと足音を立てて再び屋敷の中に戻っていった。これも全部じいさんのせいだ。
「お前のせいだ」
「何を言っておる。貴様のせいじゃろ」
門番の一日は続く。