プロローグ 運営、動く
お久しぶりです。
今日から最終章の投稿を始めます。
全40話(約17万文字)執筆済みで、1日4話投稿予定です。
よろしければ、夜宵、そして弥生たちの結末をご覧下さい。
それでは、よろしくお願い致します。
通常の就業時間は、とっくに過ぎた時間帯。
アヴニール本社の会議室に、6人の人物が集まっていた。
川上と、その取り巻き5人。
取り巻きたちは、何の為に呼ばれたのか知らされておらず、揃って挙動不審にしている。
一方の川上は1人だけ椅子に座り、長机の両サイドに立つ部下たちに言い放った。
「セイヴァーを復権させる」
「復権、ですか……?」
「そうだ。 ダークネス・デストロイヤーを倒されたことで、セイヴァーへの依存度は減少した。 それを取り戻す」
「で、ですが、未だに最強はセイヴァーです。 無理をする必要は……」
「そんなことはわかっている。 だが、本来セイヴァーは、もっと上位にいるはずだったんだ。 今の状況を、俺は看過出来ない」
「川上さん……。 どうするつもりなんですか?」
川上の思いを聞いた取り巻きたちは、はっきり言って困っていたが、取り敢えず考えを聞くらしい。
対する川上は1つ息をついて、言い切った。
「この6人で、最強のセイヴァーパーティを作る」
「パーティを作るって……わたしたちがプレイヤーになるんですか?」
「そう言うことだ。 他にもプレイヤーとして、ゲームを遊んでいる社員は多い。 別におかしなことじゃないだろう?」
「そ、そうですけど、今からレベリングとかするのは、大変と言いますか……」
「心配するな。 俺が最強のデータを用意してやる。 装備もスキルも万全のな」
「え!? そ、そんなことして、大丈夫なんですか?」
「勿論、ここだけの秘密だ。 だからこそ、お前たちにだけ声を掛けたんだ」
ニヤリと笑う川上。
それを受けた取り巻きたちは、若干気圧されたようだが、今更彼に逆らうような者はいない。
「わかりました。 ただ、俺たちはプレイヤーとしては、はっきり言って並ですよ?」
「セイヴァーは、誰でも最強になれるクラスだ。 それに、他にも手を考えている」
「まさか……チートですか?」
「あからさまなことはしない。 俺たち運営が、ギリギリ見逃す範囲でだ」
「本気なんですね、川上さん……」
「当然だ。 何が何でも、セイヴァーの地位を押し上げてやる。 そうすれば、セイヴァーに携わった俺たちの評価が上がるし、今後の仕事もし易くなる。 違うか?」
「……そうですね、やりましょう! 俺たちのセイヴァーを、圧倒的最強の座へ!」
「わかってくれて嬉しいぞ。 では、具体的なプランを話そうか」
『はい!』
当初、取り巻きたちはあまり乗り気ではなかったが、川上に扇動されてやる気を滾らせた。
そのことに川上は内心でほくそ笑み、表面上は真剣な面持ちで話し合いを進める。
こうして彼らは、密かに活動を始めるのだった。
ここまで読んで頂き、有難うございます。
次回「オフラインのお誘い」は12:30に投稿予定です。
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