表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/38

姫君とナイトの憂鬱

頂いた感想は全て目を通しています。

とてもうれしいです。

私は語りたい人なので、返信すると余計なネタバレをしそうで返信は控えています。

ご了承ください。

中島視点


LROのゲームキャラに変身した拙者と鈴木氏、飯田氏の3人は無事、学校に復帰できた。

しかし、鈴木氏はかつて「古のティアラ」を手に入れたとき、拙者と飯田氏で3日ほど説得してエンシェントプリンセスのキャラを作ってもらった関係でかなり引け目を感じている。


学校に復帰した日の1限目と2限目の休み時間の間に委員長を廊下に呼び出して話をした。


「何か御用・・・中島君・・・でいいんだよね?」

委員長は明らかに拙者を警戒しているでござる。

まあ、姿が変わる前は拙者とは全く接点が無かったら当たり前でござるな。


「実は岡部殿に委員長と見込んで頼みがあるでござる。」


「頼みって・・・鈴木くん・・さんの事?」


「察しが良くて助かるでござる。ご賢察の通り、鈴木氏のことでござる。鈴木氏は拙者たち以上に慣れない体になって困惑しているでござる。そこで岡部殿には鈴木氏がトラブルに巻き込まれないようにそれとなく注意してあげて欲しいでござる。もちろん拙者と飯田氏も気を付けるでござるが女子の世界は女子にしか立ち入れないところもあろう。」


「随分と心配性なのね。ひょっとして・・・鈴木さんのこと好きなの?」


「いや、実はゲームであのキャラを使ってくれと頼んだのは拙者と飯田氏なのでござる。鈴木氏と飯田氏と拙者はかなり気の置けない仲でござるが、ちょっと強引にお願いした手前、やはり知らんぷりは出来ないでござるよ。」


「分かった。私の方でもそれとなく気を付けて女子の間で何かあったら、中島君に知らせるわ。でも、今も大人気みたいだから、問題ないと思うけどね。結局女子も可愛い子大好きだから。」

そう言って岡部殿は教室の引き戸の小窓から人だかりができている、鈴木氏の方に視線を向けた。


「有難いでござる。まあ、ここだけの話でござるが、拙者たちはこのキャラクター転生事件はこれで終わりではないと思っているでござるよ。もしこの先に何かあるとしたら、鈴木氏は恐らく、問題を解決するカギになると思っているでござる。」


「どうして?」


「それは、鈴木氏のウォープリンセスというキャラが非常に特殊な能力を持っているからでござる。拙者たちも鈴木氏とは友人として親しくしているでござるが、ひょっとしたら今後鈴木氏の力が拙者たちの命に係わる可能性が出てくると睨んでいるでござる。その時に鈴木氏に気力がなくなっていたり傷ついて実力が出せないでいると困るでござる。これは余計な話なので忘れてもらっても構わないでござるよ。」


「思ったより深刻な問題だと考えているのね。」


「ゲームのキャラに変身するだけでも十分深刻でござるよ。」

拙者はそう言ってトンデモと一笑に付されてもおかしくない話を真面目に聞いてくれた岡部殿に笑顔を向ける。

何故か岡部殿には赤面されたでござるよ。


****


2限目の途中でまた新たなメッセージが表示された。

ダンジョン発生まであと72:00:000と表示されカウントダウンが始まる。

何かあったら先生にすぐ報告するようにと言われているので、3人で目配せする。

中島が代表で手を挙げる


「よろしいでしょうか?」


「何かな、中島君。」

数学の先生が返事をする。


「また、メッセージが出たのですが、どのようにしたら良いでしょうか?」


「すぐに保健室に行って、メッセージの内容を報告してくれ。」

システム起動のメッセージが出て以降、何か変化があったらすぐに報告するように学校側から言われている。


「私と飯田君、鈴木さん、全員にメッセージが出たのですが、3人で保健室に行って良いですか?」


「許可します。すぐに行きなさい。」


僕ら3人とも席を立って保健室に向かう。

教室は少しざわついていた。

何事かとこちらを見ている。


「ついに来たね。ダンジョン。」


「LROはフィールドもあったでござるが・・・」


「町とか学校にモンスターが出るのはちょっと大変そう。」


「問題は我らがLV1になっていることでござるよ。ゲームのように低レベルのモンスターから出てきてくれるとは限らないでござる。今いきなりlv30のモンスターでも出てこられたら即ゲームオーバーでござる。」


「今思いついたんだけど・・・・、死んだらどうなるのかな?」


「死んだらそこまでと考えておくのが無難でござろうな。ゲームのように復活できるか確認するためだけに、死んでみるわけにもいかないでござろうし、誰かに死んで確認してくださいとお願いするわけにもいかないでござろう。しかし・・・・」

そこで中島は言葉を切ったので、僕が引き継ぐ。


「もしモンスターが出てくるようなことがあれば、すぐに誰かが死んで確認が出来るって事?」


「そうでござろうな。我らはその最初の1人目には出来るだけならないように気を付けるでござるよ。それともう一つ。死ぬのが許されないのであれば戦闘の難易度はゲームとは比較にならないでござるよ。」


これは中島の言う通りだろう。

MMOのレイドボスなんて20-30人単位で複数のパーティーを束ねレイドレギオンを組んで何度も何度も全滅しながら攻略法を探して漸く倒せるような敵だ。

一度も失敗することが許されないレイドなんてクリア不可能と言っているようなものだ。


MMOのゲームバランスは一人の力が突出しないように圧倒的に強くなるようなデザインにはなっていない。

なぜなら、プレイヤー誰か一人を強くしてしまうと、その一人が主人公になってしまう。

誰かが主人公になってしまった世界で脇役としてゲームしたいと思うだろうか?

アニメ・漫画やシングルプレイのオフラインRPGではやり込みで圧倒的に強くなって主人公が無双するような表現がよくあるが、MMOではそれはあり得ない。

特にレイドボスは適正レベルでも数万のHPのボスに対してせいぜい一撃で3桁程度のダメージしか与えられないことも多い。

HPがある程度減ってくると、強力な特殊攻撃を仕掛けてきたりパターンが全く変わるボスも沢山いる。

これをノーミスでクリアしなければならないのであれば、殆どクリアは無理だろう。

全滅一直線コース、まさに無理ゲーだ。


今僕らのHPはステータスの数字が正しいならば10前後だ。

ゲームなら、スタート地点付近にいるちょっと強めのクエストモンスターに一発殴られただけで即死してもおかしくない。

もしモンスターが出てくるならば、何らかの方法でレベルを上げて強くなることが絶対に必要だった。


飯田が憂鬱そうな表情で言った。

「2人はまだいいよ。前衛だからね。僕は魔術師だから、Lv1だと雑魚に殴られただけで瀕死か即死だろうね。とにかく早くレベルを上げないと怖くて仕方ないよ。」


全員が押し黙る。


そのまま保健室についたが、予想通り、先輩たち3人も来ていた。



3人が使っているゲーミングPCはこうです。

姫・・・インテロn7+Geotooth STX3077Xi

中島・・・SMDドライゼン7+Rideon XX5777 50th Anniversary Edition

飯田・・・不明(出来れば何でもいいので気にしたことは無い。多分インテロとGeotooth)


中島は重度の中二病を発症しているため人と同じものでは嫌なのでSMDを使っています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ