プリンセス&セレモニー
ダンジョン協会事務所
ユイ視点
協会の事務所についてから僕と御子神先輩はは幾つかあるキャンペーンガール衣装の内、白い衣装に着替えた。
警察官や自衛隊の礼服のような衣装だが、色は真っ白で、ベレー帽が付いている。
キッチリと採寸して作っているので、体にかなりぴったりしたサイズになっていた。
更衣室のドアがノックされ、「どうぞ」と言うと池田さんが入ってくる。
「二人ともよく似合ってるわよ。
準備室長と協会の会長、専務理事は準備が出来ていますので、行きましょう」
僕らはエントランスで準備室長と協会の会長、専務理事と合流する。
全職員が1階に集まり、「行ってらっしゃいませ」と挨拶した。
(うち、こういうの苦手やわ)
アカネ先輩が小声で僕に耳打ちする。
珍しいな。
物おじしないアカネ先輩にも苦手なものがあったとは。
協会の会長が僕とアカネ先輩を見て目を細める。
「おお、二人ともよく似合っているよ。
今日のニュースは君たち一色のことだろう」
「「ありがとうございます。」」
僕とアカネ先輩はお辞儀をする。
今日はアカネ先輩もエセ関西弁はご法度だ。
出発前に協会のビルの前で記念撮影を行った。
カメラマンは協会の職員だ。
そして、各々車に乗りこむ。
僕のSPも帯同するのでかなりの大所帯だ。
そして、僕らは首相官邸に向かった。
鈴木家
恵視点
「お母さん、もうすぐニュース始まるよ。」
お母さんがリビングのテレビの前にやってくる。
テレビで、ダンジョン探索者全国キャラバン出発式の様子が映し出された。
「はい、首相官邸前です。あー、今、黒塗りの車が数台到着しました。
中から、ダンジョン協会の関係者と、あ、鈴木ユイさんと御子神アカネさんが車から降りてきました。
白い衣装を着ています。
CMを除けば、国会中継から実に数週間ぶりにテレビの前に姿を現したことになります。」
「あー、お姉だ。お母さん。ほら、お父さんも映ってるよ。」
協会の女性職員が先導して、そのあとにお姉と御子神さんが続き、そのあとに協会の偉い人とお父さんが続いている。
回りには黒い服を着た人たちがガードをしており、報道陣は近づけないようになっている。
お姉たちは首相官邸に入っていった。
首相官邸の中では別のリポーターが待機していて、官邸の中の大ホールの中に出発式の会場が用意されていた。
出席者は総理と官房長官と事務方、ダンジョン庁とダンジョン協会とお姉、御子神さんだ。
後は全て報道陣になっている。
テレビカメラも入っていた。
お姉が斎藤総理に挨拶する。
「それでは、今からLRO転生者ダンジョン探索者登録説明会に行ってまいります。」
「はい、しっかり役目をはたしてください。」
お姉が斎藤総理と握手した。
カメラのフラッシュが光る。
続いて、御子神さん、ダンジョン庁の長官、ダンジョン協会の会長が握手する。
残念だけど、お父さんは脇に控えていただけだった。
「あー、お父さん総理と握手できないんだー」
「ちょっと残念ね。」
斎藤総理が挨拶をする。
来年度から創設されるダンジョン庁の意義について。
ダンジョンの探査にLRO転生者に協力してもらうこと。
ダンジョン協会を通じた民間業者へ広くダンジョン産のアイテムを販売することなど。
次にダンジョン庁の長官、ダンジョン協会の会長が挨拶を行う。
ダンジョン協会の会長の挨拶は短かった。
「諸君もこんなテレビ映えしないむさいオッサンの挨拶を垂れ流しても仕方ないと思ってるだろう?。
君らが一番興味のある、ダンジョン庁所管事業のキャンペーンガールである鈴木ユイ君とアシスタントの御子神アカネ君の質問時間もちゃんと用意してある。
安心したまえ。」
報道陣から笑いが洩れる。
会長さんが池田さんに耳打ちしている。
お姉たち二人は別に用意されていたダンジョン庁と協会のロゴマークが入ったお立ち台に上った。
知事などの偉い人が記者会見するときによく用意されている例のアレだ。
池田さんがMCになる。
それでは質問に移る前に、簡単に自己紹介してもらいます。
「S県立O高校1年 鈴木ユイです。来年度から創設されるダンジョン庁PRキャンペーンの広報を行っています。」
「S県立O高校3年 御子神アカネです。鈴木ユイさんのアシスタントとしてダンジョン庁のPR事業に参加しています。」
報道陣から当り障りのない質問がいくつか飛んだあと、かなり攻めた質問が飛んだ。
「ユイちゃんのお父さんはダンジョン協会の役員なんでしょ?
それってコネって奴なのかなあ?」
「ダンジョン庁準備室池田です。
ユイちゃんは答えにくいと思いますので、私が代わりに答えさせて戴きます。
彼女がキャンペーンガールに採用されたのは国会の証人喚問に協力していただけたこと、全国のLRO転生者における影響力を考えてのことです。
彼女は全国のLRO転生者が傷つかないように配慮して行動しており、その影響力は無視できないほどになっています。
身内の方がどうこう、と言うのは関係ありません。」
「なに、コイツー。こんな意地悪なこと言わなくてもいいじゃん。」
お母さんは一言もしゃべらないが、眉をひそめている。
「ユイちゃんはとっても可愛いですが、付き合ってる男の子と言うのはいるのかな?」
「残念ながら、いません。
今はPR事業に全力を傾けていますので、ご支援とご理解のほどよろしくお願いします。
私個人としては素敵な恋が出来たらいいなと思っています。」
「アカネさんに質問良いでしょうか?」
御子神さんがアップになる
「アカネさんはユイさんの先輩ということですが、ユイさんのアシスタントと言う立場には満足していますか?後輩の下につくのは思うところがあるのでは?」
「私たちはパーティー[にゃんにゃん遊撃隊]を結成していますが、リーダーはユイさんです。
私がユイさんのアシスタントをすることはむしろ当然だと思っています。」
おお・・・と会場から声が漏れる。
「時間もありますので、ここで質問を打ち切らせていただきます。
これから少し撮影の時間も取ります」
そこで中継が終わった。
「ああー、終わっちゃった。」
お母さんも台所に行った。




