プリンセス&カンファレンス4
LRO研究会3回目
3回目の研究会ではスキルに関する話でござった。
しかし、実際に目の前で攻撃スキルを使うわけにはいかなかったので、藤堂先輩のヒールのスキルを使って見るにとどめたでござる。
ヒールのスキルは現在医療分野における活用や研究を行うように協会やダンジョン庁が進めているらしいでござるが、LRO転生者が不利益を被らないように、姫がキャンペーンガールになっているPR事業でもPRしていくようでござる。
PR活動の後援に法務省が入っているでござるが、法務省人権擁護局を通じてポスターやチラシを作成して全国に掲示・配布する予定になっているでござる。
MHKの特別番組も放映される予定でござる。
そちらも姫が出演する予定との事だったが、姫は今後も多忙を極めそうでござるな。
由口プロデューサーがわざと自分の指を少し傷つける。
「じゃ、藤堂君、ヒールをお願いします。」
「わかりました。ヒール」
藤堂先輩がゲームと同じモーションでヒールを唱える。
「おお、ゲームと同じモーションなんですね。何か感慨深い・・・
おー、治る治る。何か不思議な感覚だ。」
「僕のおおよその感覚ですが、LRO転生者より一般人のほうがヒールの効きが弱いような気がします。」
「なるほど、その点も今後、研究してみる必要がありそうですね。
もっともやるのはウチじゃないですけど。」
「岩田君の使えそうなスキルは[シールドバッシュ]かぁ・・・」
「大けがするかもしれませんから、戦闘スキルのテストは止めておいた方が無難でしょうね。
[シールドバッシュ]はスタン効果の他にダメージも入りますが、一般人に向けるとどのくらいのダメージになるのか想像もつきません。」
「そうですね。少し残念ですが・・・・」
研究会が終わった後、宮田課長がLRO開発室のメンバーと握手を交わす
「今後もダンジョン行政に関するアドバイスを頂けると幸いです。」
「わかりました。ウチで出来ることは少ないと思いますが、出来る限り協力させていただきます。」
「では、ユイさん、アカネさんに待ってもらっていますので、こちらにどうぞ。」
最後の研究会の後は姫と御子神先輩殿とLRO開発室のメンバーで記念撮影することになっているでござる。
姫の衣装はfortune/daylightの姫騎士リリアナのコスプレだったでござるよ。
何でもPRポスター撮影の際に作ったのだとか。
開発室のメンバーは大喜びで、姫と御子神先輩殿も終始笑顔だったでござるよ。
「姫、お疲れさまでした。」
「研究会はどんなこと話したの?」
「結構重要なことも話をしたので、後で報告書は読んでおいた方が絶対にいいと思うでござるよ。」
「解った。でも僕とアカネ先輩は明日からLRO転生者ダンジョン探索者登録説明会の全国キャラバンに出発するから、後になるかなあ。」
「おお、遂に始まるでござるか」
「ん、明日首相官邸で総理大臣とダンジョン庁の長官(準備室室長)と協会の会長が出席して出発する前に挨拶することになってる。
テレビ中継も入るみたいだよ。」
「では自宅で見させてもらうでござるよ。」
そう言って姫たちとは別れたでござる。
当面は会えないでござるな。
翌朝 鈴木家
恵視点
今日からお姉はLRO転生者向け説明会の全国キャラバンだ。
福岡から始まって日本の大都市を殆ど回るスケジュールになっているみたい。
大勢の前でお話したりテレビに映ったりするみたいだけど、お姉はあまり緊張しているように見えなかった。
ダンジョン庁のCMが入るようになってから、どんどんお姉が遠い人になっちゃったように見えて少し寂しいかな。
「恵、おはよう」
「おはよう。今日は頑張ってね。」
「ありがとう。」
朝食をとると黒塗りの車が迎えに来て、お姉が出発した。
「姫ー、迎えに来たでー」
黒塗りの車に乗ってたミトラで猫みたいな耳と尻尾が付いてる人が迎えに来た。
先にこの人の家に寄ってきたみたいだった。
「おー、妹ちゃんか。初めまして、姫の友達でミトラの御子神アカネや。
よろしくな。」
私はちょっと怖かったので、居間のドアから少し顔を出して挨拶する。
「お、おはようございます。」
御子神さんは尻尾をゆらゆらと動かしている。
私は思わず耳と尻尾をじっと見てしまった。
失礼だったかな。
「お、これに興味あるんか?こっち来て触ってみるか?」
「いいんですか?」
「ええで、初めて見る人はみんなこれ、興味持つからな。慣れっこや」
私は尻尾と耳を触らせてもらった。
かなり毛並みが良くてさわり心地が良かった。
「ほわわわ。」
思わず声が出た。
「こらっ恵、アカネ先輩に迷惑かけちゃダメでしょ?」
「お、姫、おはようさん。ええねんええねん。このくらい」
「おはようございます。アカネ先輩。」
「ごめーん。お姉。もう行くの?」
「うん。行ってくるよ。」
母さんも見送りに来た。
「行ってらっしゃいユイ。気を付けてね。
アカネさん。ユイをよろしくお願いします。」
「おう、まかしときーな。」
「行ってらっしゃいお姉。」
「じゃあ、行ってきます。」
そう言って僕は家を出た。
今日はお父さんは先に出勤している。
私とお母さんはお姉と御子神さんを乗せた黒塗りの車を見送った。




