表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

早川 次郎

拙作『夏の焦れ恋』 https://ncode.syosetu.com/n9406hu/ に隠した仕込みを見事見破ってくださった方へのお礼として、それぞれの話の別視点バージョンをお送りします。


じれじれ感が高まりましたら幸いです。

どうぞお楽しみください。

「じゃあ俺と中村はスプラッシュサンダースペース乗ってくるから、江川は井上さんが乗れそうなの乗っててくれ」

「おう、わかった」

「ごめんね寧子ねいこちゃん。私どーしてもスプラッシュサンダースペース乗りたくて……」

「ううんいいの。私こそ怖がりでごめんね」

「じゃあ昼近くになったら、またここに集合な」

「オッケー。じゃあ行こうか井上さん。何か乗りたいのある?」

「えっと、コーヒーカップとか……」

「んじゃ江川君! 寧子ちゃんの事よろしくー!」


 よし、作戦通り!

 頑張れよ井上さん!

 江川は鈍いから、ちょっとやそっとじゃ井上さんの好きに気付かないだろうからな。


「うまくいったな。これで昼に一旦合流して、様子見てまた二対二に別れよう!」

「ん、そーね」


 中村に声をかけて移動を始める。

 俺は男女年齢問わず、気軽に話しかける事ができるからか、恋愛相談に乗る事が多い。

 デートのお膳立てなんかもするけど、これまで何度もその手伝いをしてくれたのが中村だった。

 最初は彼氏がいない子なら誰でもいいかと思って声をかけた。

 でもカップル候補を二人きりにして中村と二人になった時、無難な話をしてたはずがすごく盛り上がった。


「前の阿部と佃さんみたいにうまくいくといいなぁ。あの時も中村のフォローでうまくいったし、今日も頼むよ」

「あれはたまたまよ」


 だから毎回中村に協力を頼んでいる。

 フォローが上手なのもそうだけど、一緒にいて楽しいのは大きい。


「お、二時間待ちかぁ」

「順当なとこじゃない?」

「そうだな。じゃあ飲み物買ってくる」

「わかった。並んどくね」

「任せた」


 中村の好みは、アイスコーヒーのブラック。

 大人っぽくて格好良いと思う。

 俺は烏龍茶。

 今まではコーラだったけど、何だか恥ずかしくなった。


「……」


 注文してお金を払い、出来上がるのを待つ。

 ……いつか中村に彼氏ができたら、こんな事できなくなるんだよな。

 その時はどうしようか……。

 他の女の子に頼むって、もう想像できないし……。


「お待たせ、アイスコーヒー」

「ん、ありがと。いくらだった?」

「三百円」

「はい」

「サンキュー」

「それにしても遊園地の飲み物って高いよねぇ」

「お祭り価格ってやつだろ?」

「あー、わたあめとかスプーン一杯のザラメで四百円くらい取るもんねー」

「そうそう。ソースせんべいとか、業務用のお菓子屋行ったらすごく安くてびっくりした」

「わかるー」


 何でもない話の合間にストローを吸う。

 乾いた喉に烏龍茶が沁み渡った。

読了ありがとうございます。


あわーい!

淡いよ! 淡すぎるよ!

春先のジャケットくらいに淡いよー!


さてどちらから距離を詰めるのか、それとも自然消滅か、どれもあり得るからこその焦れ恋、いかがでしょうか?


次話もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ