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医学部は当然ながら勉強量が多い。

そんな中、直己は学業の傍ら起業に向けて一人奔走していた。起業の意思は固く、医学書よりも経営学やマネジメント学、はたまた研究書まで、自分の糧となり得るものには貪欲に手を出していた。


政宗と直己は久しぶりに学食で一緒に昼食を共にした。


「頑張ってるみたいだな。」


「今は寝る間も惜しいくらいだ。」


不適に笑うその表情は自信に溢れていて、自らの夢に向かって突き進んでいる意思の強さが見える。そんな直己の姿に、政宗は胸が締め付けられる思いがした。


羨ましい……ような、そんな感情が渦巻く。


「頑張るのはいいけど、体壊すなよ。ちょっと痩せたんじゃないのか?」


「さすが、政宗は医師に向いてるな。良く見てるし気配りが上手い。」


「おだてても何も出ないぞ。」


政宗は鼻で笑うが、内心穏やかではなかった。

医師になりたくて医学部に通っているし試験もそこそこいい成績で順調に進んでいるつもりだ。だから直己から”医師に向いている”と言われて喜ばしいことなのに、政宗は全然嬉しい気持ちにならなかった。


医師になることへの迷いは日に日に増している。そしてその気持ちのまま医師を目指すのは違うと感じ初めていた。自分はこのままでいいのだろうか。

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