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目の前に並んだパンケーキに、小春は目を輝かせた。

「美味しそう～！」

「ははっ。小春、まだ食べてないのにすごく幸せそうな顔してる。食べたらとろけちゃうかもしれないね。」

「うわぁ、どうしよう。」

政宗は器用にナイフとフォークで半分に切り分け、小春の目の前へ置いた。

「はい、召し上がれ。」

「ありがとう！」

ナイフを入れるとじゅわっと吸い込まれるようにすっと切れる。ふわふわのパンケーキを落とさないようにフォークですくうと、ひょいっと口に含んだ。

控えめな甘さとじゅわっと溶けるような食感に小春は思わず唸った。

「ん～、美味しいっ！」

「小春の笑顔を見てるだけで幸せな気分になるね。」

何の前触れもなく政宗が言うので、小春はますます体温が上がった。きっと政宗は軽い気持ちで言っただけのはず。なのにまたドキドキと心臓がうるさい音を立てる。

「政宗くんパンケーキ好きなの？」

「好きだよ。というより、甘いものに目がない。」

「そうなの？意外だなぁ。だっていつもおにぎりは天むすとワサマヨでしょ。」

「ははっ。確かにね。でもおにぎりで甘いのは合わなくない？」

「そっか。あ、おはぎとか！」

「なるほど、いいね。おはぎも好きだよ。」

政宗の好みを聞いて、小春は心の中でメモをする。今度絶対おはぎを作って政宗に食べてもらおうと心に誓った。