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智糾の裏。  作者: 柴
1/1

Beautiful as a flower.



「この"ハザードドライブが鍵なの。

後は頼んだわ。シン。」


私はとても幸せな家庭を持って暮らしてた。

大事な子供を2人授かり私と夫、共にとても喜び嬉しかった。


でもそれも今は失ってしまった産物にすぎないのかもしれない。

あの子達は今なにをしているのかな。

そう思いながら私は飛んでいく。

まるで深い眠りにつくように。


私の人生という使命はここで果たしたのだから。


今までの事が走馬灯のように頭に蘇る。


初めて夫と出会い2人を授かった時から。。。


----

「おいっ。まさか双子なんて聞いてないぞ!

ハナ!!俺たちもっと幸せな暮らしができるぞ!」


「そんな病院ではしゃがないの。

私よりあなたが喜ぶのはいいけど、産むのは私なんだからね」


「あぁ、わかってるよ。ずっとそばにいるからな。」


「わかってます。」


最初は微笑ましく、新たな希望が出来たと思っていた。

でもそれは違った。

運命の子を私は産んでしまったのだから。。。


----


「どうして!!どうしてあの子と2人で出ていくの!!

シンと私はどうすればいいの!」


「いいか。ハナ。すべて計画通りに進まされていたんだよ。俺もそれに気づかなかった。

いや、気づけなかった。だから俺達、いや私たちが責任を持って幸せにしなければならない。

そのためにあの子とシンは離すべきだ。

まだ2人とも3歳なんだ、互いに互いを記憶から消し去ってしまうだろう。」


「そんなのあの子達には可哀想すぎるわ!!」


「私は"神経通達式傀儡"を完成させなければならない。

そのためにはあの装置"ハザードドライブ"が必要なんだ。

それを作るには相当の時間がかかる。

だから私は行く。」


「そんな。。。」


「じゃあな。」



あの人はそう言って出てった。

私はあの人が言った運命の子をシンに背負わせようとしていたのかもしれない。

でもそんな事は思わないようにしてた。


----


「昏繪娜亞?なにそれ。。。」


私はパソコンで夫の消去したデータを復元させた。

若い頃はデスクワークをよくしていたしこれぐらいは簡単だった。


でもその内容はとても残酷でとても悲惨なものだった。



「これがあの人言ってた"神経通達式傀儡"。。。

脳の意識、記憶をすべて別の実体に暗号として移植する。。。

そのため本体となる搭乗者の脳には一度記憶が消える。。。

"神経通達式傀儡"から本体へ意識、記憶を戻すときも暗号化されるが全体の0.02%の記憶が移植途中に無くなってしまう。。。


そんな。。これをあの人はやろうとしてるの。。。」


これを知った私はすぐさま反組織を作った。


と言っても協力者は2人。私含めて3人だった。


1人はツキ。元女性自衛隊員。


もう1人はトキ。ツキのお兄さん。10年間アメリカにいたらしくサイバー攻撃などを向こうの政府に雇われてたらしい。


何故2人が協力者かと言うと、2人は"ハザードドライブ"の考案者、それに開発もしている。

でも"ハザードドライブ"の危険性に気づき夫の妻である私に話を持ちかけてきた。


----


私はそれから影でなにが行われてるか見てきた。

夫が異魂という組織を作ったのも、政府と異魂が協力して"ハザードドライブ"の開発を試みてきたのも。

でもそのデータ資料はすべてツキとトキがこの世から葬り去っていた。


そして昏繪娜亞の謎。

これには私も最後の時になるまでなにもわからなかった。

だから夫のしていることも理解できなかった。

何故人の脳を使った兵器を作っていたのかさえも。。。


----

そしてある日ツキが異魂に潜入して神経通達式傀儡の資料を奪還しようと計画して実行中の時だった。


ちょうど異魂の隊員に見つかって酷い拷問にあったと聞いた。


その結果私たちがしてきたことを全て言ってしまったと3年間にわたる拷問を受けた後手紙で伝えてきた。

でもこの手紙はおそらくツキが書いたものではないことさえ想像できた。


ツキは絶対に私達を捨てない。

そう私達に言ってくれていた。

そうこの手紙は異魂から送られてきたものだった。

つまり私達がいる居場所も分かっていたのだ。


ツキは死んだ。

そう悟ったトキが私にこう言ってくれた。


「この紙に書いてあることを必ず実行して成功させてくれ。これが世界のためになることだと、僕ら信じてます。ツキがそう思っていたように僕もそう信じて行動します」


そういってトキと私はそれぞれ政府から逃げ始めた


----


でも異魂と政府は私だけをわざと生かしていたことに気づいた。


それはシンが高校生になったときのこと。

近くで戦闘機が飛んでいる事を知った私は決して足跡を見つからないように様々な情報を手に入れていた。


でもある日目の前で見てしまった。


「トキとツキの始末はもう終わっているのに何故ハナは始末しないのでしょう。」


「それは彼女が必要だからと総司令官は言ってらっしゃった。おそらくハザードドライブについて彼女だけが知っている事があるのだろう」


そう異魂の戦闘員の会話を聞いてしまった。

その時私は私が生かされる理由よりもトキも殺されてしまったことに肩を落とした。。。。


それから私は何日も何日も私がしてきた事は今まで無駄だったのか。

そうずっと考えてしまっていた。

でもある日資料を整理していた時の事だった。

1枚の紙を見て思い出した。

それはトキが最後にくれた計画のことだった。

計画は進んでいた。

だがその紙の最後に書かれている言葉に気づかされた。


"自分を信じて生きる"


そう書いてあった。

それで私は最後の作戦に移った。


----

全てをシンに託す事に。


計画には元々こう書かれていた。


「シン君を運命の子にするほかに世界が救われる事はない。

だからシン君が高校生になったら、ハザードドライブを渡してほしい。

おそらく異魂自体もシン君に接触をすると思う。

その時シン君にハザードドライブを渡してわざと異魂にシン君を引き渡す。

そこからはシン君とシューが選んだ道を信じるしかない」

と書かれていた。


----

だから私は普段シンにしてこなかった母らしい姿を最後せめてもの思いで見せた。


料理をすることがどれだけ楽しいかいつからか忘れていた。

シンと心の底から話すのがどれだけ嬉しいか忘れていた。


だから最後シンを信じた。


「このをハザードドライブ"が鍵なの。

後は頼んだわ。シン。」


その後私はシンを地下室に入れた後わざと異魂の本部へ行きあの人を殺そうとした。

でも本当は殺すつもりなんかなかった。

ハザードドライブをシンに渡したとあの人に伝えてそのまま私は私を撃った。


----

そんなさっきまでのこともすごい前のように感じる。

これが死ぬってことなんだ。


これが、、、


死ぬ、、


しぬ、


die.

こちらの話についてと"智糾の謎、"の〈欠/ありのままで。〉については活動報告#4にて話そうと思います。

ぜひ気になる方はご覧ください。

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