あなたと結婚するには何回転生すれば良いですか?
書き殴り続けた、この思いが少しでも皆さんに届くと良いです。
???「女神様!僕と結婚して下さい!」
女神「嫌です。お引き取りください。」
???「帰る国も故郷も家も体も失いました!今さっき!」
女神「異世界に行きましょうね~。痛くないですからね~。」
???の体が淡く光り始める。
女神「えーっと。異世界に赴く勇者よ。その身をもって、大悪を制して下さいませ、と。」
???「分かりました女神様!必ずや私が倒して見せましょうぞ!そうしたら私と結婚してください!」
女神「はいはい。ご武運を~」
―――――
???「あなたの元にまた来ました勇者です!」
女神「……」
???「あなたと結婚する事のみを考え、勇者となり、世界を救ってきました勇者です!」
女神「仲間を集め、魔物を倒しながら人々の願いを聞き入れ、解決し、果てには魔王を倒し、王の娘との婚約が決まった日、自決。」
???「はい!」
女神「バカなんですか!?地位も名誉も欲も金銭も思いのままだったというのに!」
???「あなたと結婚する事以外に私が欲することなどございません。」
女神「っ…………。」
???「さぁ結婚を!あの時の約束は今果たされるのです!」
女神「さて次の転生先はどこがいいでしょう。」
???「女神様!?世界を救った勇者に女神様の愛を!」
女神「この世界が良さそうですね。では転生とまいりましょうか。」
???「私の話を聞いて下さい女神様!」
女神「えー。異世界に行くあなたにご武運を。」
???「では次の世界を救ったら必ず!必ずですよ!」
女神「……」
???「嘘でも良いのでせめて答えて下さい!」
???は淡い光に包まれた。
侍女「愛されていますね。」
女神「あれを愛と言いたくは無いです」
―――――
???「帰りました。」
女神「ここを家にしないで下さい。」
???「挙式はいつがいいですかね!この世界に月日があるのかは知りませんが、早い方が良いですよね!」
女神「では次はこの世界にしましょう。行きたいでしょう。そうでしょう。いますぐ飛ばしますからね~」
???「女神さm……」
???は光に包まれた。
侍女「とか言いながら彼の転生全般を引き受けてるじゃ無いですか。」
女神「余計なことは言わなくて良いのです。」
―――――
???「魔王を倒して世界を発展させて来ました!」
女神「次は……と。」
???「……女神よ。」
女神「」ビクッ
???「私のことが嫌いなのでしょうか?」
女神「そんなことは……。」
???「では何故……。」
女神「あなたは人。私は神。寿命が違うのです。あなたの死を……私は見たくはありません……。」
???「何回か見てるじゃ無いですか。」
女神「転生の話では無いです。寿命の話です。」
???「大丈夫です。」
女神「何故そう言えるのです?」
???「好きだからです。」
女神「ふふっ。意味が分かりません。」
???「思った通りあなたの笑顔は美しい。」
女神「っ……。と、という訳であなたとは婚約は出来ません。残念ながら。」
???「残念なんですか?」
女神「……」
侍女「顔が赤いですよ。」
女神「うるさいです!てて、転生いきますよ!」
???「綺麗だ……。」
女神「~~~~っ!!!!!!」
―――――
???「帰ってきましたマイハニー。」
女神「次の世界よマイダーリン。」
???「ダ……ダーリン!?」
女神「口が滑りました。さぁ、いきますよ。」
???「女神よ!」
女神「何ですか?」
???「どうしても私と結婚する気は無いのですか!?」
女神「出来ないのです。」
侍女「神の任から降りない限りは、ですがね。」
女神「余計なことは言わなくて良いのです。」
???「降りると支障はあるのでしょうか?」
女神「ありまくりです。次の任を誰に任せるか、とかどの世界を担当してるかの話し合いとか、色々。それに、私は今の担当を気に入っているのです。悪に支配されている土地もありますが、人も動物も生きようともがいている。そして私を愛してくれている。それが、嬉しいのです。」
???「引き継ぐのは難しい事なのでしょうか?」
女神「悪に支配されることを良しとはしませんが、悪しともしません。神は中立なので。ですがどれだけの進行か。どれほどの命が奪われそうか。その話は全ての世界で起きています。そして私の担当は236個の世界があります。それ一つ一つの話し合いとなると、膨大な時間がかかります。ですから」
???「ならば!ならば私がその世界全てを救います!」
女神「そんなこと出来るわけが……。」
???「出来ます!してみせます!」
女神「どうしてそんな……。」
???「あなたが好きだからに決まっているでしょう!!」
女神「……」
???「まず手始めに次の世界救ってきますから。準備、しておいて下さいね。」
???は淡い光に包まれた。
女神「……私は」
侍女「書類の準備ならもう出来ています。」
女神「優秀な部下を持って嬉しいです。」
―――――
???「って言うことがあってだな?」
???「パパのはなしおもしろーい!」
???「そうだろうそうだろう。でもな?本当の話なんだぞ?」
???「何の話をしているの?」
???「美しい女性のために世界を救い続けた勇者の話さ。」
胸が痛いのは恋の話だからなのか、何かしらの病なのか。