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思い通りにいかないという体質を持っている人の日記

作者: 倒的

その体質に気づいたのは高校生くらいで、ソーシャルゲーム内のガチャを引いていたときであった。


ガチャというのはおみくじのようなものであり、

ゲーム内のキャラクターや武器をランダムで貰えるというシステムであり、レアアイテムを入手するために、何十万円もかける人もいた。 自分としては流行りで始めただけだったので、金はかけなかったが。


しばらくすると、そのソーシャルゲーム内のイベントで、期間限定のガチャというのが出てきた。何十万円かけている人はもちろんかけていたし、自分はもちろんかけていなかった。


そもそも、その頃になると自分は少し飽きていたのだが、学校に行くといつもことあるごとに誰かが、ガチャを引いていて、それがクラスでも一種の恒例行事のようだったため、話についていくためだけにやるようなものだった。


しかし、ある時に何の気なしにガチャを引いたときである。その期間限定の超低確率で出てくるアイテムをあっさりと当ててしまったのだ。その時は少し驚いただけだったのだが、また違う日になんとなくガチャを引きたくなり、引いたときに、これまたあっさりと別のレアアイテムを当ててしまったのだ。


しばらく、そんなことが続いていてクラスでもラッキーなやつと思われていたのだが、自分としては腑に落ちないところがあった。自分の欲しいキャラが絶対に出なかったのだ。


結局、流行りが終わるまでガチャを引き、レアキャラも全て当たったのだが、欲しいキャラというのは一つも出なかった。


そのときから、自分が想像したり、思ったことが絶対に起きないことを気づいた。

というより、信じるしかない出来事が多かった。


例えば、高校を卒業して大学に進学すると自分は思っていたのだが、自分の家にそこまでお金がなかったのでそのまま就職することとなったとか、気楽にバイトできるところがいいと思ったが、

いつのまにか責任が多く伴う正社員になったりと、その気がないのになったことしかなかった。


その頃になると、身の回りで何か事件が起きないように事件が起きる想像をして、事件を防いでいたような気にもなっていた。あまり確証は持てていなかったが。


そんな時に、考えたことのない事件が起きた。

ふざけた格好をした強盗が会社の中に押し入ってきたのだ。その時、自分はやられてしまうかもしれないと思ったが、咄嗟に機転を利かして強盗を撃退していた。すごいことなのだが、なんだかあまり驚かなかった。直前にやられると思っていたために、やられなかっただけだと自分でそうわかっていた。


それから何年かたって、考えたことのないような美人で優しい妻ができたり、(その前に自分は男を好きになるんじゃないかなど色々な想像をしていた。)

優しくたくましく賢い子供(これまた色々な想像をしていた。)ができたり、とても良い人生を送っている。これからもこんな人生を送れたらいいなと思う。


旅行中に今までを振り返って飛行機内で日記を書いたが、旅先ではもっとこの日記に書けるようなことを多く体験したい。天候はとても良く、何も起こらないと思えるほどの快晴である。


いい天気の日は浮かれてしまうものです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 先日コメントをさせていただいきました、宮木です。再びのコメントすみません! 実は先日のコメントについてお伝えしたいことがございまして……。 申し訳ないことに私は、この作品を私小説だと勘違いし…
[良い点] みんな大嫌いな、にっくき物欲センサー。それを実に上手いこと手玉に取っている主人公。きっとそれはなかなかできることではない。 [気になる点] 起こった出来事の過程が省かれてしまっていて、主人…
[良い点] 読みやすい文章でした。 [一言] 引き寄せの法則とは正反対ですね。興味深く読ませていただきました。 良い人生を送られているようで何よりです。これからもお幸せに!
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