脱出にまたひとつ……
前回、滝のある部屋を大広間を同じぐらいの広さと書いていましたが、高さまでは考慮してなかったので書き換えました。
このステータス割り振りシステム、ゲームでやられるとかなり迷ってしまうので苦手です。
ババババババババババババ——————
水が水面に叩きつけられる音が、この場を制圧している。
まぁ、ここは初めから僕が動かなければ他に音なんてないんだけど……ん?
僕は元の一本道に戻る。しかし爆音は僕の鼓膜を打ち続ける。
これはどういうことだ?
これがもし、大広間と一本道のように足を踏み入れるまでは暗いままだったように、この空間と一本道が初期状態で視覚的に繋がっていなかったら僕がいくら走り疲れていても一旦、躊躇していただろう。しかし繋がっていたなら初めから音が流れてもいいはずだ。
僕は警戒レベルを最大限引き上げて周囲を見回る。水はあるが、その周囲に植物の類はない。恐る恐る湖の近くまで近づく。水は澄んでいて水面が激しく揺れていても、そこが途方もなく深いということを教えてくれる。いや、底なんてないのかもしれない。
上空を見上げる。100m越えの滝は石で出来た天井の大穴から流れ出ていることが分かった。上の階は海なのか?……いやいや、そもそも僕は一つ階を上がるのに100m以上上らないといけないのか。
先の遠くなりそうな話に嘆きたくなる。
他にめぼしいことはないかと探りながら一周を回り終わる。
するとカチッと音がしたかと思うと、今まで一滴も溢れなかった水が一気にこの空間を一杯に広がる。
足を取られそうになるのを耐え、生存本能に任せてきた道へと引き返す。沸いてきたココボルトも無視だ。
後ろから凄まじい轟音が鳴り響き、このダンジョン?を揺らす。思わず後ろを振り返った僕は、巨大な水の塊が一本道をこじ開けながらこちらに————
『【??? B2F】への道が開かれました』
唐突に表れた暗闇の横道に駆け込む。
水の砲弾は我が道を行くが如く、通路を抉りながら僕の真後ろを通過していった。
「は、は、は、は、は……」
行きより距離は短いにも関わらず、身体が空気を求める。
「は、は、はぁ、はぁ、はぁ、すぅぅぅぅぅ、はぁぁぁぁぁ」
追撃はない。ココボルトもアレにやられたらしい。
息が整って落ち着いてきたと思ったら、身体が震えだす。抑えようにも逆に力が抜けて、へたり込んだ。
『称号:【恐れを覚えし者】を手に入れた』『状態:恐慌 になった』『称号:【幻ダンジョン支配者と遭遇せし者】を手に入れた』『称号:【最終決戦を迎えし者】を手に入れた』
表示が立て続けに切り替わっていく。
ダンジョン支配者?最終決戦?あれと戦えってか?
先の見えないお話に、震えが強くなる。
あぁ……ベットで休みたい……
この小説だけ他と比べて1話がかなり短い気がする。