疑惑
私には、好きな人がいた。ショウである。
19の冬に、香美ちゃんとショウと私で香美ちゃんの家で鍋をする事にした。 香美ちゃんの家は、両親が旅行に行ってしまい、1人になってしまうと言うことでショウを呼んだのである。
散々、香美ちゃんのまずい鍋を三人でつっつき私は家が厳しいので帰ることにした。
私は、ショウと香美ちゃんを残し、家に帰宅。
次の日香美ちゃんに、『ショウは、あの後、家に帰った?』と聞いたら、香美ちゃんの答えは『朝帰った。』との事。
私はえぇぇと思った。
いくら親がいないとは言え、一つ屋根の下に初めて逢った男を泊めるなんて! 私は香美ちゃんを疑った。香美ちゃんは『何もなかったよ。』言っていたが私の疑いは晴れずにいたのだ。何故なら、香美ちゃんの口癖は『恋は盲目って本当だね。』と良く言っていたからだ。
その後、何だかんだで香美ちゃんと喧嘩をして連絡をとらなくなった。
美樹ともその時絶縁を同じくしてしまった。
後で解った事だが香美ちゃんはショウと寝たのである。
女とは、怖い……。
逢ったその日に情事を行ってしまうとは……。
私は消して美人ではないが香美ちゃんに負けてる容姿ではない。
香美ちゃんも私もどっこいどっこいの外見だ。
だから、ショウを取られるとか寝取られるとか張り合うとかを香美ちゃん自体に感じた事はなかった。
だって、普通連絡先を交換して後日逢うなら張り合いがいもあろう。
出会ったその日とは、私は信じられなかった。
私の好きな人を寝取った女である。友情も終わるであろう。