表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小太郎

小太郎 一等賞⁉︎

作者: eiji

「おぉ!桜スゲー!」

園庭の桜が見事なまでに咲き誇る

今日は小太郎3歳児の入園式


「小太郎 これからここでみんなと仲良くやるんですよ」

「おぉ!わかった!」



「本日 御入園児のみなさん こんにちわ〜!」

「こんにちわ〜!」

園長先生の話が始まる

「うっせぇなぁ…」

「小太郎 寝ないの…」

早くも 居眠りする小太郎…



長い入園式が終わり 教室に行く途中 年中さんとすれ違う

「おっ!俺らの子分入って来たぞ!」

「幸太郎くん!子分じゃないでしょ!」

「俺を呼んだか?」

「ん?」

「今 小太郎くんって言ったろ!」

「あぁ!小太郎くんじゃなくて 幸太郎くんって言ったんだよ」

「幸太郎?」

「俺が 幸太郎だ!おまえ 小太郎って言うのか?紛らわしいから 今日からおまえは 太郎にしろ!」

「うっせぇ!俺は 小太郎だ!」

「おっ!生意気なガキだな!」

「うっせぇ!おまえだってガキだろ!」

「幸太郎くん!やめなさい!」

「小太郎!」



「先生が今日からみなさんと一緒に生活して行きます!みなさん よろしくね〜!」

「先生 よろしくお願いしま〜す!」

小太郎は 黙ってる

「あれ〜?お名前は?」

「俺は 小太郎だ!」

「小太郎くんか…よろしくね」

「おぅ!」

偉そうな 小太郎

「よろしくね」

「おぅ!って言ったぞ!」

「ダメだよ よろしくって言われたら ちゃんと よろしくお願いしますって言うの」

「めんどくさいぞ!」

「よろしくね」

「…よろしく……」

「はい よく出来ました」

先生は 小太郎の頭を撫でた


「先生お久しぶりです」

「久しぶりだね 私はもう先生じゃないから」

「いえ 私は先生に憧れて先生を目指したんです 私にとって先生は一生先生です」

小太郎の母ちゃんと小太郎の先生の会話


「ウチの子には かなり手を焼くと思うけど…」

「いえ これが先生からの最終試験だと思って頑張ります」

「まぁ…」


「母ちゃん!帰ろ!」

「はい はい」

「それでは 先生 明日から小太郎をよろしくお願いします」

「はい!任せてください!」

「小太郎くん さようなら」

「先生 んじゃね!」

「さようなら」

「…さよなら……」

「良く出来ました」



「先生 おはよ〜ございます!」

「はい!おはようございます!」

「小太郎くん おはよう」

「おぅ!」

「おはよう」

「…おはよ……」

「はい 良く出来ました」


「じゃあ 今日は園庭でみんなで仲良く遊びましょう!」

「園庭って何だ?」

「園庭とは 滑り台やブランコ 砂場があるとこですよ みんなで仲良く遊ぶようにね」

「遊んでいいのか?」

「遊ぶ事も学ぶことです いっぱい遊びましょう!」

「ヤッタ〜〜!」


小太郎達は喜んで園庭に出た

園庭では 年中さんが遊んでいた


「僕は ブランコ!」

「私は 滑り台!」

みんな好きな遊具のところで順番待ちをしている


しかし 年中さん達は年少さんが並んでるのを見て見ぬふり


小太郎は砂場の端っこで遊んでいた

「おい!ここは 俺達が最初に取ったんだ!」

小太郎が振り向くと あの 幸太郎がいた

「ここは 誰も居なかったぞ!」

「おっ!おまえは太郎」

「うっせぇ!俺は 小太郎だ!」

「幸ちゃん どうしたの?」

「幸ちゃん?」

「この 太郎 が俺達の場所に入ってきた!」

「おまえ馬鹿か?俺は 小太郎だって何回も言ってるだろ!」

「なんだこいつ 生意気だ!」

「うっせぇ!一個しか違わないだろ!痛っ!」

幸太郎が 小太郎の頭を小突いた

「何すんだよ!」

小太郎の反撃

「痛たたた…」

小太郎は幸太郎の足に噛み付く


先生が飛んで来て引き離そうとする

「痛たたた…」

小太郎は離さない

「小太郎くん 離しなさい!」

離さない…

「太郎ちゃん!」

「俺は小太郎だ!」

離れた…

「何で喧嘩になったの?」

「俺は悪くない!」

小太郎が言い切る

「幸太郎くん どうして喧嘩になったの?」

「こいつ…生意気なんだよ…」

幸太郎は泣いている

「うっせぇ!おまえらが滑り台や ブランコを俺達に貸さないんだろ!」


「年中さ〜ん 年少さ〜ん みんな集まって!」


「年中さんのみんなは どうして年少さん達に遊具を貸してあげないの?」

「だって…」

「だって 何?」

「僕達が年少さんの時も 年中さんの人達が貸してくれなかったから…」

「そうなの?」

「そうだよ…僕達 園庭で遊ぶ時は遊具で遊べなかった…」

「それは 先生達 気付いてやれなかった…ごめんなさい」


「でも その時 みんなはどんな気持ちだった?」

「つまらなかった…」

「そうだよね だったら年少さんの気持ち わかるよね」

「…うん」

「じゃあ みんな仲良く遊べますね」

「は〜い…」

小太郎は 返事をせず 黙って話を聞いていた



翌日

「いいですか!今日は 年長さんも年中さんもみんな園庭で遊ぶ予定だから 仲良くするんですよ〜」

「は〜い」


小太郎達が園庭に出ると すでに年長さん 年中さん達が 遊んでいた

小太郎は ある人物を探した


「何だよ 遊ばないのか?」

「太郎…遊ばないんじゃなく 遊べないんだよ…」

「何でだ? ってか俺は小太郎だ!」

「年長の奴らが 占領してんだよ」

「なんでだ?昨日先生言ってたろ」

「あいつらは その話聞いてないだろ!それに 話聞いたとしても あいつらにそんな事関係ないさ」


小太郎は 滑り台に並ぶ

小太郎の後ろに年少 年中の園児達が並ぶ

小太郎が滑り台の階段手摺に捕まった時

「どけよ!」

年長さんに突き飛ばされる

小太郎は その勢いで 鉄棒に頭をぶつける

「くぅ…痛ぇ…」

小太郎は痛みを誤魔化すように そこにあった 雑草をむしり取る…


「みんな仲良くしないといけないんだぞ!」

小太郎を突き飛ばした年長さんに言った

「おまえ誰だ?」

「俺は小太郎だ!」

「年少か?」

「そうだ!」

「いいか!教えておくぞ!ここでは 年長 年中 年少の順に偉いんだ!わかったか?」

「そうなのか?」

「そうだ!だから俺達が遊んでる時はおとなしく見てろよ」

「太郎!騙されんな!そんな事あるか!」

「幸太郎!また おまえか!また泣かすぞ!」

「うるせぇ!俺だって年中になったんだ!」

年長に飛びかかる幸太郎

「おまえが年中になったからどうした!俺は年長になったんだ!」

当たり前の事だ…

「年長だからって威張るな!」

小太郎は黙って2人を見ている


幸太郎が負けた


「幸太郎…おまえ 生意気なんだよ…」

その時

「痛ってぇ!!!」

園庭に響き渡る声!

「こいつ 離せよ!痛ってぇ!!」

小太郎が 年長さんに噛み付いていた


先生が飛んでくる


「小太郎くん やめなさい!」

離さない小太郎

「太郎ちゃん!やめなさい!」

「俺は小太…あっ!」

年長さんを泣かせた


園庭で遊んでた園児達が集まってくる


「太郎ちゃん なんでこんな事したの?」

「俺は 小太郎だ!」

「なんでこんな事したの?」

「昨日 先生言ったろ!みんな仲良く遊ぶんだって!それなのに 遊んでんの年長さんだけなんだぞ!ちゃんと見てんのか?」

何も言えない先生達

「そこで泣いてる年長さんが 幸太郎を泣かせたの先生見てたか?」

みんなの視線が幸太郎へ向く

この時点で 小太郎が一等賞


「みんな仲良く遊べって先生言ったよな!昨日 年長さん聞いてないから もう一回先生言え!」

「太郎ちゃん…」

先生は小太郎の頭を撫でた

「いいですか!園庭はみんなのものです!仲良く遊ぶように!わかりましたか?」

「は〜〜い!」


「先生!頭に砂糖塗って!」

「はぁ?どうして?」

「さっき 鉄棒に頭ぶつけた」

見ると小太郎の頭にコブが…

「それで 何で砂糖なの?」

「先生 馬鹿だなぁ…頭ぶつけたら砂糖塗るんだぞ!知らないのか?」

その話を聞いていた 違う先生が

「そう言えば 聞いた事あるかも…」

「本当に?」

「そうだぞ!早く塗って!」


またまた翌日

「今日こそは みんな仲良く遊ぶんですよ〜」

「は〜〜い!」


小太郎 砂場に一番乗り!


「太郎!俺達も混ぜろよ!」

「ヤダ!俺が一番に来たんだ!」


3歳児小太郎!幼稚園一のガキ大将!







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ