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URBAN LEGEND  作者: 安藤ナツ
Case5.

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23/32

万象の龍①

全6話。


お楽しみ頂ければ、幸いです。

 人間は生涯をかけて一つの作品を造る。自分と言う作品をだ。

 なんて格好を付けて言って見るのは良いが、別に俺が考えたわけではない。授業中にサボってネットサーフィンをしていた時に目に入った言葉で、別に何の思い入れがあるわけでもなく、ただ単に目についたからら覚えていただけだ。

 しかし中々に良い言葉だとは思う。うん、非常に良い言葉だ。

 しかし……俺は更に『しかし』を重ねてこの言葉を捕捉したいと思う。ついでに言えば、これから呟くセリフは俺自身の言葉である。オリジナルブランドだ。

 こんな風に前置きをして、自分で自分のハードルを上げて、俺はどうする気なんだろう。それでも俺はここまで切り出してしまったのだから、ここで口を閉ざすようなことはしない。

 俺が言いたいのは、『全ての作品は、生涯をかけるように創造しなくてはならない』と言うことだ。

 物を造ると言うことは、すべからく命を使う価値があると俺は考える。

 一期一会ではないが、全ての創造や創作には持てる全てを注ぎ込む必要があり、そこには手抜きや妥協の文字が入る隙間は紙一枚として存在していない。

 自身の血によって書かれた書物以外は読まないように、魂の込められた像以外に見向きもしないように、案外と世間の人間は物を見る目がある。ただただ流されるばかりでなく、自分の価値を持って選択を行っている人間は多い。

 それも当然か、命を賭けて自分と言う作品を造っているのに、血の流れていない、魂の抜けた物を見て喜ぶ馬鹿がいるわけもない。

 全てのモノには、全てを賭ける意義がある。

 効率や手間など全て計算外に、埒外な悪ふざけのように、右も左も上も下も気にすることなく、ただただ完成だけを目指して突き進む必要がある。

 しかし一生涯を賭したとしても、何かが完成するわけでもないのが味噌だ。

 例え、一生の全てを捧げた所で、人間は自分一つ完成させることはできない。

 精々が『完結』だろう。

 だからこれは俺が完結する話で、続きはない。


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