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ボッチ物語(連載)  作者: uno
1章
1/1

1-(1)  行動をしよう

これは実在する人物とは全く関係ありません。フィクションです。

ですから、現実とは無関係ですよ?

 なぜ、こんなことになってしまったのか?

 大学新入生である俺は、にぎわいのある大学の食堂で一人うどんを食べながら、そんなことを思った。

 周りを見れば、楽しそうに談話しながら食事をしている人が大勢いる。そんな中、俺は一人。アローンだ。

 つまるところ、俺は今をときめかないボッチと呼ばれる人種。

 友達どころか会話をする人もこの大学にはいない。

 なぜ、こんなことになってしまったのか?

思い当たるフシはある。

 大きな理由は、新入生オリエンテーションを休んでしまったからだろう。しかし、俺だって好き好んで休んだわけではない。

 オリエンテーション当日、熱を出してしまったのだ。

 だが、それでも大丈夫だろうとタカをくくっていた。しかし、現実は非常なりけり。熱が下がって大学に行ってみると、もうすでにクラス内にグループができていたのだ。

 一度できたグループに入ることは難しい。そう、実感したのは大学に来て一週間ほどたってからだ。

 授業の時も、休み時間の時も、話す機会がない。どうしたものか。

 しかし、それもこれまでだ。

 俺には秘策がまだある。

 残っていたうどんを胃の中に入れ、俺は席をたった。


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 まだ、建てられて数年しかたってない大学の中には多くの人が行きかっていた。

 多くの人は右も左もわからぬ一年生だが、それ以外にチラシを配っている元気な上級生がいた。

 どうやら、サークルの勧誘をやっているらしい。

 そう、俺の秘策は、サークルに入り、ボッチを脱することだったのだ。

 そう、ほくそえみながら歩いていると、

「君、新入生?」

 後ろから声をかけられた。声のしたほうに振り向くと、満面の笑みを浮かべた色白の男が立っていた。その笑顔。プライスレス。だい

「はい、そうですけど」

「よかった。ところで君、絵とかに興味ある?」

 開始早々なれなれしいやつである。内心でそう思いつつ、こちらも笑顔で対応。ボッチを脱するためである。文句は言えない。

「絵、ですか? 描いたりとかは苦手ですね」

 自慢じゃないが、高校の時の美術の成績は2である。十段階評価で。

「大丈夫、大丈夫。初心者も大歓迎だから。ちょっとでいいからうちのサークルに見て来てみない?」

 よほど、人手が足りないのだろうか? どうしようか。人が少ないサークルだと、ボッチになる可能性が出てくるのではないだろか? 

「あ、はい。ちょっとだけなら」

 しかし、文句を言っていられる立場じゃない。様子見ぐらいしてみるのも重要である。

「じゃあ、今日ここに書かれた場所に来てくれる?」

 差し出されたチラシを受け取り、ざっと見る。そのチラシの真ん中には「アニメッ!!」て感じの絵が描かれており、下のほうにサークルの活動場所が書かれていた。

 そして、一番上にはアニメ漫画同好会と書かれている。

 アニメ漫画同好会。オタク系サークルか……。なんか一気に冷めたわ。

「ハイ、わかりました。じゃあ、これで」

 逃げるようにそこを後にする。オタクと係わるのはちょっと抵抗がある。なんか、自分の世界に入っていて、あまり話がかみ合わなそうなイメージが、俺をそうさせたのかもしれない。

 かくして、いくつかのサークルのチラシをもらい、次の授業の教室に向かった。

 さてどうしたものか? 悩みどころである。


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 午後の授業、後ろの席。微分方程式の話を無視して昼間もらったチラシを机の上にならべ、眺めていた。

 もらったチラシの数は全部で5枚。

 一枚目はワンダーホーゲル部。山を登ったり、体を鍛えたりするサークルらしい。正直、自分には無理だ。階段を上るだけで息があがる俺がやったら死んでしまいそうである。

 それに、つらいのは嫌いだ。できるなら楽ができるサークルがいい。

「却下だ」

 ワンダーホーゲル部のチラシをカバンの中にしまう。

 二枚目は滑空研究会。エンジンのついていない、グライダーという飛行機を作り、空へ飛ばすサークルだという。また、鳥人間コンテストにも参加しているらしく、結構有名らしい。だが、特に、空にも飛行機にも思い入れがないし、興味もない。どうでもいいというのが、今の感想である。

「保留しよう」

 滑空研究会のチラシを横に置いた。

 三枚目は、黒魔術同好会。魔法や魔術などを学ぶサークルのようだ。工学部の人間がなにやっているのだ? と、あきれてしまう。もう厨二病は卒業しろよ。

「入部は絶対無理だな」

 黒魔術同好会のチラシをカバンの奥底にしまっておく。もう、見ることなかれ。

 四枚目は写真部。写真を撮ったりするサークルで、なんでもコンテストなどにも出展し、賞ももらった事があるとか。なかなかいい感じである。それに写真を撮るだけなら、自分にもできそうだ。しかし、写真をとるためのカメラがない。そして、カメラを買うお金もない。カメラの貸し出しはしているのだろうか? もしくは、インスタントカメラでもいいだろうか? 

「これは聞いてみないとな……」

 写真部のチラシを滑空研究会のチラシの上に乗せてる。

 そして最後のチラシはアニメ漫画同好会。文字どおり、漫画やアニメなどを見たり、描いたりするサークル。正直、微妙だ。しかし、行くと言った手前、行かなければ道理に反する。

 それに、今日ちょっと見ていくだけでいいんだし。

「とりあえず今日はこれだな」

 写真部と滑空研究会のチラシと一緒にまとめ、カバンのすぐ取り出せる場所に入れておく。これで、授業が終わったらすぐ行ける。

 一通りの作業が終わり、授業を真面目にうけるため、前を見る。すると、よぼよぼな教授が黒板に書かれていた板書をサーっと消していく。

 まあ、誰かにノートを借りればいいや。ってあれ?

「ノートを貸してくれる友達がいないじゃないか」

 絶望感がハンパない。

 と、まあこんな感じで午後の授業が終了。

 だが、気落ちしている場合ではない。これからが、大事なのだから。


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つたない作品ですが見てくれてありがとうございます。

あと、このサイトの機能を作者がよく理解していないせいで、変な間違いをすることが多いかと思いますが、暖かい目で見てください。おねがいです。

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