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逆さの月の恋  作者: Nesn


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第十六話〜夏目side〜

会う度に愛おしくなる。


心が満たされて幸せになれる。


だから、会えない日は恋しくなる。


ずっと会えなかったら、その人を恋しくなる想いは


ずっと増していくのだろうか…



____________________



帰宅後の自分の部屋__



夏目「先輩、今日は泊まっていきませんか?」


行為を終えたベッドの上で先輩に問いかけた。


朔「いいけど。朝、一回帰るぞ。同じ服着て出社すると、ありさがイジってくるから怠い」


夏目「はい(笑)」


朔「そういえば、どうだった?柏木達との仕事?」


夏目「凄かったです。特に深瀬さんのアートが凄くて、俺芸術とかよく分からないんですけど、そんな俺でも心打たれるというか…」


朔「へぇ…そんなに凄ぇんだ?」


夏目「なんか、生きてるって感じ?躍動感とか…今度一緒に深瀬さんの展示会とか見に行きましょうよ!」


朔「柏木の相方だろ?気向かねぇ…俺、あいつとは全然気合わねぇし」


夏目「でも、深瀬さんは柏木さんとはタイプが全然違うんですよ?だから、先輩とも気が合うかも!深瀬さんは、なんていうか…天真爛漫?」


朔「天真爛漫ねぇ」


夏目「それに美人!俺、何度も見惚れちゃいましたもん」


朔「妬かせようとしてる?」


夏目「へ?あ、違います!先輩は世界で一番カッコいいです!俺が好きなのは先輩です!」


朔「笑。そりゃどーも」


夏目「そう言えば、柏木さんが今度みんなで食事でもしましょうって言ってました」


朔「やだよ」


夏目「って、言うと思って丁重にお断りしておきました」


朔「わかってんじゃん。ご褒美やらないとな?」


夏目「え、ご褒美?」


朔「何がいい?」


夏目「あ…ちょっ…先輩…まって、まだ…」


俺はそのまま唇を奪われて、ベッドの中へと再び堕ちていった。



____________________



会社__



深瀬「あれ?ハル君、昨日はお盛んだった?」


出会い頭、俺の顔を見た深瀬さんがそう問いかけた。


夏目「え?!なんで?!///」


深瀬「はーん、図星だ?いやらしい…」


夏目「ち、違いますよ///」


深瀬「はいはい。でも、程々にしないと後に響くよー?特に俺達の方は負担も大きいからね」


夏目「俺達の方?」


深瀬「ハル君、ネコでしょ?あ、受けって意味ね?」


夏目「ぅえ?!ど、どうして?!」


深瀬「わかるってー」


そう言って、ニコっと微笑む深瀬さん。


(深瀬さんって、なんかセクシーだよな…経験の差なのかな?)


彼の横顔みて、恋でもないのにドキッとしてしまう。


自分には無い大人の色気ってものを持っていて憧れを感じずにはいられなかった。


夏目「そ、その…何かアドバイスとかありますか?」


深瀬「アドバイス?」


夏目「俺、今の恋人が全部が初めてなんです。でも、向こうは勿論違くて…その…満足させられてるか不安で…」


深瀬「あー、そういうことか」


夏目「俺は今の人が初めてだから比べる相手もいないし、毎回大満足ですけど。相手は物足りないんじゃないか?とか、初体験の相手の方が良かったんじゃないか?とか…色々心配で…」


深瀬「ハル君、気にしすぎ。普通、初体験まで遡んないでしょ?」


夏目「それが…先輩の初体験の相手は初恋の人なので…」


自分で言っていて、不安で俯いてしまう。


深瀬「ハル君、初めてってそんなに重要?」


夏目「え?」


深瀬「初恋も初体験も勿論大切だと思う。でもさ、俺は初めてよりも最後の方が大切だと思うだよね」


夏目「最後…」


深瀬「だってさ、結局記憶に一番深く刻まれるのって、その人と過ごした最後の思い出じゃん?だから、今を只ひたすら大事にすればいいんじゃないかな?そう思わない?」


夏目「なんか、凄く納得します」


深瀬「本当?なら、アドバイスになったかな?」


(この人、本当に凄いな)


率直にそう思った。


夏目「ありがとうございます」


深瀬「ハル君、自信持って。そんで、彼氏のこと骨抜きにしちゃいな〜♡」


”ポンポン”

(夏目の頭を撫でる音)


そう言って、深瀬さんは軽くハグをしながら俺の頭を優しくポンポンと撫でてくれる。


(そういえば…深瀬さんも、よく頭を撫でてくれる人だな)



____________________



屋上__



夏目「あ、先輩ここでしたか?」


朔「一服してた」


夏目「そうかな?って思って」


先輩の横にそっと座り込む。


朔「どうした?」


夏目「いや、なんか…少し離れただけで恋しくて…」


朔「甘ったれだな」


夏目「…その、キスしていいですか?」


朔「やに臭くてもいーなら、お好きに?」


そっと先輩の唇に顔を近づける。


でも…



”グイッ”

(体を押し除けられる音)



夏目「…先輩?」


唇が触れる前に先輩は俺の身体を引き離した。


朔「お前、柏木に近づいたか?」


夏目「えっ?柏木さん?いいえ、今日はまだ会ってませんけど…どうしてですか?」


朔「…いや、匂いが…

…悪いけど、俺、そろそろ仕事戻るわ」


夏目「あ、はい。頑張って下さい!」


先輩は一度も俺の方を振り返らず足早にきえてしまった。


夏目「どうしたんだろ?なんか、ちょっと様子が変だったな…」


”朔「お前柏木に近づいたか?…いや、匂いが…」”


匂い…?柏木さんの香りって…


夏目「そういえば…さっき深瀬さんとハグしたから、その時に香水の香りが移ったのかな?」


(凄く良い香りなのに…)


夏目「先輩、本当にこの香り嫌いなんだな…」


この時は、呑気にそんな事を思っていた。


____________________



会議室の

打ち合わせ終了後__



夏目「深瀬さん、深瀬さんってば!」


深瀬「んん…あ、ハル君〜お疲れ…zzz」


夏目「あ、深瀬さん、ここで寝ちゃダメですよ。もう、打ち合わせ終わりましたから;」


(自分の展覧会の打ち合わせで、当の本人が寝ちゃうって;本当に深瀬さんは自由な人だな…)


深瀬さんの自由奔放な姿に尊敬さえ覚えてしまう。


柏木「澪、また寝ちゃってる?困ったもんでしょ?ちょっと僕、社長に呼ばれたから申しなけないんだけど、夏目君…少しだけ澪の事、お願いできる?」


柏木さんは、そんな姿を見慣れているのか驚きもしていない様子だった。


夏目「全然大丈夫です!」


柏木「ごめんね、夏目君;」


夏目「とんでもないです」


柏木さんは、そう言って社長室へと向かった。


深瀬「……ほんと、陽介って過保護だろ?」


寝ぼけ眼で深瀬さんが、そう呟く。


夏目「深瀬さんの事がそれほど大切なんですね」


深瀬「……ちょっと眠気覚しに珈琲でも買ってくる。ハル君なにかいる?」


夏目「あ、じゃあ俺が…」


深瀬「いーから、いーから。少しここの探検もしたいしさ、ハル君はここで待っててよ」


夏目「わ、わかりました。迷子にならないで下さいね?」


深瀬「はっひふっへほーい」


夏目「まだ、ア○パマンネタ抜け切ってないんだ…(笑)」



















夏目「あ、朔先輩!」


廊下いた先輩を呼び止めた。


朔「おう、打ち合わせ終わったのか?」


こちらへ歩いてくる先輩。


夏目「はい」


朔「さっきは…悪かったな」


夏目「いえ、全然!今、柏木さんを待ってるですけど、それが終われば上がれるので一緒に帰れますか?」


朔「柏木…だからか」


夏目「何がですか?」


朔「ここ、あいつの匂いがする」


夏目「あ、それなら柏木さんの香りじゃないですよ」


朔「いや、あいつの匂いだよ」


夏目「違うんですよ。この香水の香りは深瀬さんの…」








その時だった…







深瀬「ハル君、カフェオレで良かったー?

なに飲むか分からなくて……」



”ガシャン”


”コロコロコロコロ…”

(転がり落ちる缶コーヒー)



夏目「だ、大丈夫ですか?」


俺は慌てて、転がった缶を拾い上げるのに夢中で気付けていなかった。


二人の困惑した表情に。


夏目「よかった、穴空いてないです」


深瀬「…ぁ、ありがとう。俺、握力弱くて…ごめんね?」


夏目「いえ、あっそうだ!紹介させて下さい。

こちら、石川朔さん。俺の…その…恋人です///」


「……………………」


一瞬だけ訪れる沈黙


そして、遅れるように深瀬さんが口を開いた。


深瀬「はじめまして。深瀬澪です」


笑顔で自己紹介する深瀬さん。


朔「……」


夏目「朔先輩?」


朔「悪い。俺帰るわ…」


夏目「えっ?」


柏木「石川さん、そんなに急ぐ事ないじゃないですか?」


帰ろうとする先輩の前に、柏木さんが立ちはだかる。


朔「どけよ」


柏木「僕からも紹介だけさせて下さいよ」


深瀬「陽介、いいから帰らせてあげなよ」


柏木「そんなに時間掛かりませんから」


そう言って、柏木さんは深瀬さんの肩を強く抱き寄せた。


柏木「この人が僕の婚約者の深瀬澪です」


深瀬「…陽介、離せって」


柏木さんは離れようとする深瀬さんを逃すまいとしているように見える。


まるで、朔先輩に深瀬さんを見せつけるかのように…


朔「もういいよな?」


”ドンッ!!”

(朔が柏木の肩にぶつかる音)


柏木さんの肩にわざとぶつかるようにして、先輩はその場を後にした。


その光景を目の当たりにして、胸の中がザワザワと音を立てているのを無視出来ない。


二人の不自然な態度

柏木さんの不穏な空気

同じ癖…

そして、先輩の嫌いなラムネのような甘い香り…


夏目「…もしかして…先輩の初恋の相手って…深瀬さんなんですか?」


全てのピースが揃った気がした。


外れて欲しいと願いながらも、

外れる事は無いと確信しながら…


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