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逆さの月の恋  作者: Nesn


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第十二話

後戻りできない。


だから、もう俺を縛らないでくれ


あんたという鎖で…


____________________



自分の部屋__



シャワーを浴びた夏目が部屋に戻ってくる。


朔「こっち」


俺はすぐに夏目をベッドの上に呼び寄せた。


少し遠慮がちに近づいてくる夏目がもどかしくて、腕を引き寄せる。


”バフンッ”

(夏目がベッドの上に倒れる音)


ベッドの上に横たわる夏目。


夏目「朔…先輩…」


朔「…抱くよ」


夏目「…は…はい…」


初体験の夏目になるべく負荷がかからないよう、出来る限り優しく触れる。


夏目「ん…」


朔「…声、我慢しなくていい」


夏目「…は…は…ぃ…んぁ…っ」


俺はその日、夏目を抱いた。


あの人以外で男を抱いたのは初めてだった。




____________________



行為後__



夏目「先輩…俺…フワフワします」


朔「痛みは?」


夏目「想像してたより全然…先輩が上手だったから…///」


朔「ご満足させられたようでなによりです」


夏目「も、もう、からかわないでくださいー///」


朔「笑」


夏目「あ、何か飲み物もらっていいですか?喉乾いちゃって…」


朔「あー、冷蔵庫から好きなの適当に取って」


夏目「はい」


夏目は浮き足で冷蔵庫の方へと歩いていく。


夏目「そういえば、先輩って…どうして誰も家に入れなかったんですか?」


朔「あー、それ聞く?」


夏目「え、駄目でした?」


朔「いや、別にいいけど」


少し不安そうに俺を見つめる夏目。


朔「俺が家に入れるって相手って事は、それなりに俺が好意ある相手って事だろ?」


夏目「そうなりますね」


朔「そんな奴を家に入れたら、帰したくなるじゃん。

だからだよ」


夏目「え…なんか、想像してたのと違う」


朔「へぇ?どんな想像してたんだ?」


夏目「なんていうか、俺の城だから!部外者は立ち入り禁止!的な?」


朔「まぁ、それも少しはあるけどな」


夏目「実は朔先輩が甘えん坊なのがわかって嬉しいです」


朔「急に上から口調になったな?」


夏目「えへへ、冷蔵庫の水頂きます。…あれ、懐かしい〜!瓶ラムネだ!でも、これ…中身入ってないですよ?」


朔「…あぁ、いーんだ」


夏目「捨てておきましょうか?」


そう言って夏目が瓶を取り出した。


朔「やめろっ!」


咄嗟にでかい声が出る。


その声に驚く夏目。


朔「悪い、そのままにしててくれ。中に入ってるビー玉が欲しくてさ」


夏目「あ、そうなんですね」


(なにやってんだ。俺…)


夏目「わかります。その気持ち。俺も小さい頃よく、このビー玉欲しくておねだりしてました」


朔「取れたか?」


夏目「はい。婆ちゃんが割って取ってくれました」


朔「だよな。割らないと普通は取れないよな」


夏目「割らずに取れる方法あるんですか?」


朔「あるらしいんだけど、まだわかんねぇんだ。だから、置いておいて。自分で捨てるから」


夏目「……はい」


朔「そう言えば…アキのこと平気か?一度家に帰る?」


夏目「いえ、実はもうお姉ちゃんにアキの事頼んでおきました」


朔「へぇ、姉ちゃんいるんだ?」


夏目「2人います。俺は末っ子で、めちゃくちゃ可愛がられて育ちました」


朔「すげー想像つくわ。笑」


夏目「先輩…その、どうでした?」


朔「なにが?」


夏目「俺…その、俺は良かったんですけど…先輩は…その…」


朔「ちゃんと、俺も気持ち良かった」


そう伝えると夏目は嬉しそうに笑った。


朔「良かったわ。お前に姉ちゃんがいて」


夏目「どうしてですか?」


朔「アキを面倒みてくれるからな…俺、今凄くお前を帰したくない…」


夏目「先輩…」


甘いキスをする。

俺が出来るだけの甘いキスを

まるで自分の罪を隠すように…


夏目「先輩……俺…んっ…」


その日、俺はもう一度無我夢中で夏目を抱いた。





***



(回想の中•眠ってるあの人を見つめる自分)



朔「ねぇ…俺のものになってよ…」




***




あの人の残像が、まだ俺の中にあることを否定したくて…


朔「…好きだ…遥…」


(なんで、捨てられないんだよ…くそ…)

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