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ギルドと新しい居場所
第二部:王都での生活と深まる絆
数日後、二人はようやく王都にたどり着いた。王都は、石造りの建物が立ち並び、活気に満ちていた。セドリックは、結衣をギルドへと連れて行った。
「ここで、君の力を活かせば、生活に困ることはない」
ギルドの受付嬢、エリーゼは、結衣の治癒魔法に驚き、彼女を治癒魔法士として登録するよう勧めた。しかし、結衣は「そんな大それた力じゃないから」と躊躇する。
「おまけに治癒魔法士なんて、昔はいたらしいけど、今じゃ伝説だって言われるくらいなのよ。あなたは凄い人よ、自信を持って!」
エリーゼはそう言って、結衣の背中を押した。結衣は、彼女の熱意に押され、ギルドに登録した。最初は小さな仕事から始めた。怪我をした子供の手当てや、風邪を引いた老人の看病など。結衣の優しい心と、温かい治癒魔法は、すぐに街の人々の心を掴んだ。