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王子の追跡、そして絶望
第一部:転生と出会い
時を同じくして、アルメリア王国の第一王子、セドリック・エドワードは、王位を狙うヘルムート大公が放った刺客に追われていた。数日前から続く激しい追跡で、彼の護衛騎士たちは次々と倒れ、今や彼の周りには誰もいなかった。
「くそっ……!まだだ、まだ終わらない…!」
セドリックは、剣を杖代わりにして、森の奥へと足を踏み出す。しかし、左肩から流れる血は止まらず、その意識は次第に遠のいていった。彼の父である国王や、優しき母、そして愛すべき弟の顔が脳裏に浮かぶ。このままでは、彼らが守ろうとしたすべてが無駄になってしまう。
「殿下、もう逃げられませんよ」
背後から、刺客の一人の声が聞こえる。セドリックは、最後の力を振り絞って剣を構えるが、深手を負った体は思うように動かない。彼は絶望的な状況を悟り、静かに目を閉じた。