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奇跡の出会い、運命の始まり
第一部:転生と出会い
セドリックの意識が完全に途絶えようとしたその時、彼は、温かい光に包まれるのを感じた。
「大丈夫ですか…?」
耳元で聞こえる、優しい声。セドリックは、重い瞼をゆっくりと開けた。そこには、見たこともない、淡い銀髪と、朝焼けの空のような青い瞳を持つ少女が立っていた。彼女の手からは、眩いばかりの光が放たれ、それが自分の体を癒していることに気づく。
「君は、一体……」
言葉を紡ごうとするが、声が出ない。少女は、セドリックの額にそっと触れ、優しく微笑んだ。
「もう、大丈夫ですよ」
その言葉と、温かい光が、セドリックの心を深く癒していく。彼は、この少女が、自分を絶望から救い出してくれた「奇跡」なのだと直感した。
「どうか、私と一緒に、街へ行きませんか?」
セドリックの提案に、結衣は少し戸惑いながらも頷いた。二人の間に、不思議な絆が生まれた瞬間だった。この出会いが、アルメリア王国の運命を大きく変えることになるとは、まだ誰も知らなかった。