Episode2 -8-
―土曜日―
「遅いって言わないで」
「まだ何も言っていませんよ、井上さん」
「何の話?」
井上は眉を曇らせたまま、一係の部屋の中へ足を踏み入れた。真っ赤な髪を高い位置でまとめ、ジーンズに小さな虹が沢山描かれたシャツを羽織っている。大事そうに胸に抱えたクリップボードを、愁に差し出した。「被害者の爪の中から出てきたウール100%の繊維の販売元が判明したの」
クリップボードを受け取り、愁はそこに視線を落とした。「そうですか」
「手芸用の毛糸だった。既製品としては売っていなくて、完全に手作り専用みたいよ」
池上は椅子から立ち上がると、クリップボードを覗いた。「それで?」
「販売元に聞いてみたら、都内に8店舗、関東近県だけで23店舗、全国に至っては合計で45店舗もある手芸店に卸しているみたいなの。その店のオリジナル商品だったんだけど、人気NO1商品だって」
「人気商品じゃ、誰が買ったかなんて覚えてないわよね」クリップボードに視線を落としたまま、池上が穏やかな口調で言った。
「毛糸は何万個も売れたらしいわ。インターネット販売もしていたらしいから、それこそ全世界に」
「編み物する人、そんなに多い訳?」池上は自虐気味に笑う。編み物なんて中学生以来していない。そして中学生の時に悟った、これは自分には無理だと。
「毛糸を買ったのがイケメン男性ならきっと店員も覚えているんだろうけどね」井上はちらっと愁を見上げた。
「男性が編み物をしていても別に可笑しくはないでしょうから、それも有得ない話ではないでしょうけど」愁は井上に穏やかな笑みを向けた。「ただ、この犯人の場合は別でしょうね」
「それって彼女か誰かの編んだ贈り物のマフラーで被害者を殺害したって事よね?」井上は心底嫌そうな表情を浮かべる。その表情から誰に感情移入しているのか、直ぐに分かった。「狂ってる」
「狂っていない殺人者なんかいたかしら、特にこの手のタイプの犯人で」池上が眉をひそめる。
「この犯人は特別よ」井上が何処かムキになった様に言った。
「えぇ、特別ですね。頭の良さでも郡を抜いています」
井上と池上が同時に、愁に視線を向けた。「どういう意味?」
愁はクリップボードから視線を上げる。「松本淳の比ではない、というところでしょうか」その声はひどく淡々としていた。
池上は両手をぐっと握り締めた。
「ねぇ、犯人は過去に殺人事件を起こしているんでしょう?」井上は腕を組み、デスクに寄り掛かった。
「えぇ」愁は池上の握り締めた手を見て、表情を緩めた。「十中八九間違いないと思います」
「プロファイルに該当する事件はあった?」
「いいえ。野口恵さんの容姿、性格等に似通った被害者の事件は3件ありましたが、どれも手口がバラバラで、プロファイルも一致しませんでした。また、殺害方法からも調べてみましたが、野口恵さんの様に暴行されていないものはありません」だからこの犯人は狡猾なのだ、と愁は思う。犯行の手口を変えていれば、なかなか連続殺人と結び付けられない。ある時は絞殺、ある時はナイフを使い、ある時は毒殺。又、被害者が似通っていれば、それも連続殺人の対象に上がるが、それもない。例えば野口恵の様な今時の格好をした若い女性、中年男性、子供、年寄り、一見接点のないと思われる人間を違った手口で殺害していれば、そこから警察が接点を見つけ出すのにどのくらいの時間が掛かるだろうか。恐らくそれは気が遠くなる程、長い時間が掛かる。無論、愁はその時間を短縮する為にいるのだが。だが、一見バラバラに見える被害者達も、犯人から見れば好みの対象なのだ。なにもテッド・バンディの様に、黒髪の若い女性ばかりを狙う、そういった犯人が全てではない。
「遺体がまだ発見されていない、とかそういう事かしら?」池上はゆっくりと両手を解き、長い髪を後ろに払った。
「その可能性もあるかと思います」日本であれば死体を何処に隠すだろうか、と愁は頭を捻らせた。アメリカでは死体を自宅地下に埋めたりする。サムも自宅の地下に3人の遺体を埋めていた。ご丁寧にコンクリートをその上に流し込み、腐敗臭を押さえていた。住宅事情の違いから、日本ではその可能性は低い。だとしたら山や森、海などに遺棄するのが多いのだろうか。山や森から白骨死体が出てくる事件も多い。だが、野口恵の遺体はそのままだった。
「嫌な事件」井上がボソッと呟く。
愁はクリップボードを井上に差し出した。「えぇ、本当に」
井上はボードの中からメモ用紙を抜き取り、愁に差し出した。「とりあえず毛糸を売っている都内の店舗」
「ありがとうございます」愁はその紙を受け取った。メモには店舗名と住所、電話番号が書いてあった。
携帯のバイブ音がして、3人は一斉に自分の服を弄った。
愁が手を小さく上げる。「私です」マッド・カーペンター。愁はその名前を見ると、眉をひそめた。「もしもし?」
「はーい、シュウ、おはよう」恐ろしく明るい声。「良い天気だね」
愁は携帯に耳を澄ましたまま、一係の部屋を出て行く。
「あれ?女?」彼の背中を追いかける様に、井上のからかう声が聞こえた。
「シュウ?」
廊下に出ると、愁は小さな声で言った。「何か分かったのか?」2人の視線を避ける様に、一係の部屋から少し離れた場所にある喫煙スペースへ向かう。
「うん」マッドは朗らかな声で言う。「今、何処?何でそんなに小さな声で話す訳?あ、分かった。泉ちゃんが近くにいるんだね」
「一係の部屋から、今出たところだ。それで?」喫煙スペースには入らず、廊下の窓に寄り掛かり、愁は窓の外へ視線を投げた。マッドの言うとおり、今日は良い天気で、頬に当たる日の光が心地よかった。
「桜のDNAが一致したよ。門から採取した指紋と靴跡もジャンパーに残っていたものと一致」
「被害者のDNAは?」
マッドは大袈裟な程、大きな溜め息を付いた。「知ってるくせに。まだ無理に決まってるでしょ?早くても今日の夜だよ」
「他に何かあったか?」
「ないよ。小学校だからね。鉄棒には嫌になる程の指紋が出たけど、結局ジャンパーの指紋とは合わなかったし、足跡は皆無」桜と血のDNA、100を軽く超える指紋、それだけで昨日は楽しい夜を過ごせたよ、マッドは心の中で呟いた。椅子の上でほんの少し眠れただけ、今は若干吐き気がしていた。超過勤務も良いところだった。しかしそれを言ったら、愁も同様なのだけれど。昨日、GPSはあの界隈から動かなかった。
「捜査の方はどうなってる?」
「信さんが吉沢さんにプロファイルを渡して、今それを元に捜査してると思う。僕が知ってるのは、昨日あの後二係が卒業生の名簿を貰っていた事くらいだよ」15歳から19歳まで、と愁は言ったが、二係は14歳から20歳まで広げて持って行った、その事実をマッドは黙っていた。「多分、今日は卒業生を調べるんじゃない?」
「そうか、ありがとう。マッド」
「何?」
「そろそろ帰れ。今日は非番のはずだろう?」
マッドは乾いた笑い声をあげる。「無理だね。僕が一番DNA早く出来るんだもの。信さんが休みを調整してくれるって言ってたから大丈夫だよ。人の事より自分の事も気を使った方が良いよ、シュウ」
*
「いらっしゃい」
「こんばんは」
「何だ、珍しい2人が揃ったな」マスターは咥え煙草のまま、グラスを拭いている。彼は顎でカウンターの奥を指した。
愁は小さく頷いた。
「喧嘩は御免だぞ、シュウ」マスターは呟く様に言った後で、低い声で笑った。「失言だったな。刑事に向かって」
愁は苦笑し、店の奥へと進む。店内は暗く、狭い。カウンター席が10席と四人掛けのテーブル席が2つあるだけの小さな店。今はテーブル席に3人の若い男が座って、談笑しながら飲んでいるだけで、他に客はいない、村上大介以外は。
その小さな椅子に腰を下ろした彼は、座り心地の悪さに何度も腰を動かしていた。足を組もうにも、カウンターが邪魔で組めない。大きな身体を揺らす度、椅子は悲鳴の様になき、マスターは苦笑を彼に向ける。彼の前には水色のグラスが、ビール瓶と共に置いてあった。瓶は既に空で、グラスの中にはビールがほんの少し残っていた。
「すいません、遅くなりました」愁は大介の隣に腰を下ろした。
「構わねぇよ」大介は横を向き、愁を見つめた。「それより、そのしゃべり方、どうにかなんねぇのかよ?気持ち悪ぃんだけど」
愁は微かに肩をすくめた。「無理ですね。癖になっていますから」
大介はぴくりと眉を上げ、ふんっと笑った。「癖ね。警察だからな」まるでそれだけで、全て納得出来るとでも言いたげな口調だ。
マスターが茶色の液体が入った、しゃれたグラスを愁の前に置いた。「飯は?」
「お願いします」愁はにっこりと微笑む。
アルプスはバーではあるが、常連達は酒も頼まず、飯を頼む者が多い。マスターは元板前で、カクテルより、料理の方が断然美味い。
「大介、お前も食うか?」マスターは煙草を灰皿で揉み消し、流し台で手を洗いながら、彼に笑顔を向けた。
「食う」大介はビールを飲み干すと、グラスをカウンターの端へ置いた。「ついでにこれも」
マスターは頷くと、冷蔵庫からビール瓶を取り出し、栓を抜いた。彼はグラスにビールを注ぎ、2人の前から立ち去った。
愁はスーツのポケットから煙草を取り出した。ウーロン茶を一口飲み、煙草を咥え、火を付けた。煙を吸い込むと、睡眠不足のせいか、視界がくらりと揺れた。
「お前、ちゃんと寝てるのか?」
「え?」愁は大介の顔をきょとんとした表情で見つめた。言葉の意味を、理解して思わずにやっと笑う。「まさかあなたの口からそんな言葉が出てくるとは思いませんでした」
「失礼な奴だな」大介もにやりと笑う。自分の目の下を指差し、彼はからかう様な口調で言った。「クマ、出来てるぞ。そんなに働かされる職業なのか?警察ってのはよ」
「いえ、そういう訳ではありませんけど」愁は思わず柔らかな表情を浮かべた。大介は大介なりに心配しているのだ。只、大丈夫なのか?と聞けないだけで。「ここのところ、事件が立て混んでいたので」
「そうか」大介は溜め息を付く。「物騒な世の中だもんな。ササさんをやった犯人はまだ捕まってないのか?」
「えぇ」愁は視線を伏せた。二係は殺害現場の小学校の卒業生を調べてはいるが、進展はないようだった。ただ、以前花火がうるさいと夜中に通報を受け、駆けつけた警察官が2人の高校生―制服はブレザーだったが、何処の高校までかは覚えてない―、私服姿の15、6歳の子供を覚えていた。その他にもあの小学校はたまり場になっているのか、金髪の若い男が爆竹を鳴らしていたり、暴走族が喧嘩を始めていたりと、警官が何度か呼ばれている様だった。だが、プロファイルに合うのが、高校の制服を着た2人と私服の1人だった。
大介は小さく頷く。「そうか」
「ササさんとは交流があったんですか?」カウンターに肘を付き、愁は煙草の先から立ち上る煙を見ていた。
「交流?面倒くさい言葉を使うなよ」大介はほんの少し表情を緩める。「あの人はシゲさんみたいにお節介なんだ。なぁ、息子さんの話は知ってるか?」
「えぇ」
「だからだと思うけど、アホな若い男を見ると声を掛けずにいられないみたいだ。俺も、女と路上で揉めてる時に声を掛けられた。好きな相手なら喧嘩なんかせずにしっかり守ってやれってさ。人生なんて何時何が起きるか分からないだからってさ。後でササさんの奥さんの事聞いて、その意味が染みたよ」彼は照れた様に笑う。「この街にはシゲさんやササさんに声を掛けられた野郎や女は死ぬ程いるんだよ。昔の俺等みたいにさ」大介はビールをぐいっと喉に流し込んだ。
愁は大介に視線を向けた。
「何だよ?」
「昔の私達の様に声を掛けたのかもしれません」小学校に落ちていた煙草の吸殻。彼等はきっと煙草を吸っていてササさんに注意をされたのだ、だから気に障ったのだろう。そしてササさんの命を奪った。人、1人の命を奪った、接点。
「はぁ?」大介はあからさまに眉をひそめた。
愁は煙草を揉み消すと、立ち上がった。「すみません、1本電話をかけてきます」
大介はこめかみをポリポリと掻いて、面倒くさそうに笑う。「あぁ」
愁はスーツのポケットから電話を出して、思案する。誰に?この時間ならば冷子に電話しても、動くのは明日になる。吉沢か加藤、どちらにかけるか悩みながら、店を出た。カランとドアの上にぶる下がっている鈴が鳴った。ドアが閉まるのと同時に加藤の携帯に電話をかけた。
加藤は一回目のコールだけで、電話に出た。「おう、何だ?」
「浜野です。お疲れ様です」
「おう。まだDNAは出てないぞ」
「えぇ、解っています」愁は辺りに人通りがいないのを確認してから、話始めた。アルプスの看板がジジッと音を立てる以外、遠くに聞こえる喧騒だけが聞こえていた。「犯人達は煙草を吸っていて、ササさんに注意されたのかもしれません」
「煙草?あぁ、そういや、小学校に吸殻があったって言ってたな。だが、吸殻は捨てちまったんだろう?」
「えぇ、その通りです。ですが、佐藤さんという方が銘柄を覚えているかもしれません。それに鞄の中かポケットに確実に持っていると思います。それに匂いもするでしょう?」愁は穏やかな口調で言う。
「なるほどな。だが、それはめぼしを付けた後に判断出来る材料にしかならない」
「そうでもありません。今は煙草を購入するのに規制が厳しくなっています。自動販売機はタスポがないと購入出来ませんから、高校生が買うとしたらコンビニ等の対面販売で年齢を偽って購入するしかないでしょう。あの界隈に煙草を売っているコンビニや煙草店など、比較的店員の意識が緩ければ身分証を提示しなくても売ってしまう可能性もあると思います。あの界隈で絶対に購入しているという保証はありませんが」
「やってみる価値はあるな」加藤が愁の言葉を遮った。「ちょっと待て」携帯を無造作にデスクの上に置く音が響く。キーボードを叩く音が聞こえ、続いて加藤の独り言が聞こえる。「コンビニ、煙草店。今時煙草店なんかあったか?1、2、3」ガタガタと音がして、加藤の声が今度は受話器から聞こえた。「コンビニは3件。煙草を売ってる酒屋が2件あった」
愁はスーツのポケットから手帳を取り出した。「教えて下さい」
「馬鹿言え、俺がやる。オタクが動いたらややこしい事になるだろうが。動くんじゃねぇぞ」
ブチッと音がして、電話が切れた。愁は手帳を終い、携帯もコートの中へ滑り込ませた。小さく溜め息を付くと、息が白い煙に変わった。愁はアルプスの店のドアを開けた。
カランと音がし、マスターがこちらに視線を向けたが、直ぐに手元の包丁へと視線を戻した。小気味いい包丁の音がし、微かに味噌の香りがしている。
愁は大介の側へと戻り、椅子に腰を下ろした。「すいません」
「もう良いのか?」
「えぇ」
「早く捕まると良いな」大介が呟く様に言った。「なぁ、シュウ」大介は大きな両手で、水滴だらけのグラスを包んだ。
「はい?」愁は彼の横顔を盗み見た。柔らかく、何処か嬉しげな表情をしていた。始めて見る、大介の顔だった。
「俺、もうすぐ子供が産まれるんだ」
「はい?」
大介は眉をあげたが、直ぐに穏やかな笑みを浮かべた。「何だよ、その反応はよ。俺に子供が産まれちゃまずいのかよ」
愁も穏やかな笑みを浮かべた、心底。「いいえ、おめでとうございます」
「だから」大介は呟く様に言った。「あの時の事を償いたい」
*
目がチカチカする、腰が痛い、腕と指が攣りそうだ。
「くそぅ」マウスを離して、加藤は椅子の背もたれに身体を投げ出した。一時間、恐ろしく長い時間だ。こんなにもパソコンを見続けたのは何時以来だろう。加藤は右腕を揉んだ。何時もは若い連中に、こういったパソコン操作は任せていた。
一時間掛けて見ていたのは、コンビニの防犯カメラの映像だ。2件は終わったが、1件まだ残っている。笹木充が殺害された日の昼過ぎから0時までの映像。
「ちくしょう、老体にムチ打って働いてるのになぁんにも出てきやしねぇ」
「やだ、何1人でぶつくさ言ってんの?」
加藤が肩越しに振り返ると、髪の毛と同じ真っ赤なパンツと、黄色地に虹が描かれたトレーナーを着た井上が、ファイルを抱えて立っていた。
「なぁーんだよ、虹色ウサ子か」
井上はパソコンの画面に視線を送る。「これってコンビニの防犯カメラ?」
「あぁ」
「ふーん」井上はマウスを動かし、再生ボタンを押した。音声は元々ない。映像の下にはPM4:12 。井上は映像を一定速度早め、視線をそこにやったまま、再び口を開く。「犯人は煙草を買ってるんだっけ?」
「そうだ」画像を再び見ると、加藤は脳みそが悲鳴を上げる声が聞こえた気すらした。
パソコンの画面には忙しなく動く人々が映っている。井上は首を傾げて、画像に見入っている。加藤は脳みその悲鳴を無視して、肩を回しながら見続けていた。
しばらくすると、井上がマウスを動かし、画像を止めた。「見て」
止まった画像にはダウンジャケットにジーンズを履いた、黒い髪の若い男がレジ台の前に立っていた。
「この荒い画像じゃ、これが未成年かどうかわかんねぇな」
「違う」井上はマウスから手を離し、男の後ろを指差す。「ほら」
加藤は画面に近寄ると、老眼鏡を上げた。「制服姿の男だ」
「犯人は3人でしょ。革靴=制服の男2人とスニーカーの男。制服じゃさすがに煙草買えないものね」井上は再びマウスに手を戻し、制服姿の男2人の画像を鮮明にするべく、何度か修正した。「もう少し見えると、制服が分かりそうだけど」
「顔は無理か?」
「微妙なところね。荒いもの。でも、制服は分かると思う」井上はパソコンに見入ったまま、マウスを動かし、キーボードを叩いた。「何処のだか分かる?」
加藤は画像の若い男を睨むように見て、頷いた。「分かる、随分と良い高校に通ってんじゃねぇか」
テッド・バンディ・・・1974年から1978年にかけて30人以上の女性
を殺害したとされるアメリカのシリアルキラー。
真ん中分けの黒髪、若い白人女性を殺害。
(因みにサム・ウォールは架空の人物です)