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第二十二話:影の情報戦

夜の静寂を破るように、弘彌のスマートフォンが震えた。


『準備が整いました』


朧からの暗号めいたメッセージ。彼はすぐに返信し、指定された場所へと向かった。


——都内某所、閑静なビルの一角。


部屋に入ると、すでに朧が待っていた。テーブルの上には数枚のファイルと、PCの画面には何やら大量のデータが映し出されている。


「さて、相馬財閥の弱点は何だ?」


弘彌が椅子に腰を下ろしながら問いかけると、朧が冷静な口調で答えた。


「現在、相馬財閥の中核企業である相馬ホールディングスは、新規事業の投資に失敗し、財務状況が悪化しています。特に不動産事業が大きな損失を抱えており、銀行との関係も微妙な状態です」


「つまり……資金繰りが厳しくなっている、ってことか?」


「はい。そしてさらに、会長である相馬宗一郎が、内部で反発を受けていることも分かりました。彼の強引な経営方針により、役員たちの不満が蓄積しており、社内には派閥争いが勃発しています」


弘彌は顎に手を当て、考え込む。


「これは使えるな……内部崩壊を誘発できるかもしれない」


千夏が頷く。


「じゃあ、こっちの動きとしてはどうするの?」


「まずは、相馬家の動向を完全に把握する。朧、もう少し掘り下げて調査してくれ。特に、社内で対立している派閥のリーダーを特定したい」


「承知しました」


「それと、俺たちも動く。資金繰りが厳しいなら、相馬財閥が頼っている金融機関を調べて、そこに圧力をかける手もある」


「金融機関への圧力って……まさか買収するとか言わないよね?」


「それも選択肢の一つだな」


弘彌はニヤリと笑った。


「まずは、情報を掴むことから始めよう。俺たちは戦場にいるんだからな」


情報戦が幕を開ける。

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