話し合いI
「ダイアナと、俺、ゲイリー、イアンは幼馴染だ。小さい頃から良く遊んでいた。だが、ダイアナは刺繍とか料理が好きで、そう言うのが好きだったゲイリーとよく中で遊んでいたな。俺はイアンと外で遊んでいた」
「ゲイリー様とですか?」
ファビアが不思議そうな顔をする。
「ああ。それでまあ…ダイアナは俺を好きだったらしい。公女だし、皇太子妃としてはピッタリだとずっといつ婚約するのかと言われていた。で、俺はだんだん父の言うことを聞くだけの戦争人間になっていき、前世ではそのまま流れるようにダイアナと婚約し、結婚した。まあダイアナを好きじゃなかったし…幸せにはしてやれなかったなぁ…子どももできなかったしな」
ファビアの顔を見るとやはり不安そうに見つめている。
「死んだときに女神に会っただろ?女神に言われたんだよ。幸せにしないといけない女がいるって。で俺はそれがダイアナなんだと勝手に解釈したのさ」
「女神に…」
「まあそれがそもそも間違いだったことはその3年後にわかったわけで…けれどまあその間ダイアナに思わせぶりなことをしてしまったことは確かだ。ミラージュ大教会を任せたのもそうだし…色々贈り物もした。けれど…やっぱり好きにはなれなかった」
「……」
「はっきり言う。俺は今後お前以外の女と関係を持つつもりはない。妃も皇后ひとりだし陛下にもそれは伝えてある」
ファビアを見ながらちゃんと言った。
ら…ファビアはキュッと握ってる手に力を入れた。
「本当?」
「ああ。俺は母上がいつも父上の女癖の悪さに苦しんでたのを見てたからな。お前を、愛して思った。そんな思いは絶対させないって。だからどんなに他の貴族や国から妃を薦められても俺は娶らない。お前だけを妃とする。子どもができようができまいが関係ない」
愛して…と言う言葉にファビアはとてつもなく反応してしまう。
愛してるって言ったの?ディエゴ様。
「愛してくれるの?」
上目遣いで言うファビアが可愛すぎて…ディエゴは思わず、ファビアのアゴををクイっと上向けると、貪るようにその唇を翻弄した。
クソっ…
このまま…押し倒してしまえばいいんじゃないのか?
どうせ結婚するんだぞ。
ファビアがキスに応えてくれていることがたまらなくて、もう制御が効かなくなりそうだった。
けれど…絶対ダメだ。俺は…やっと見つけた愛する女を絶対ちゃんと皇帝の妻として…生涯愛すると決めた。だからここで適当にはしたくない。
ディエゴは必死の思いで唇を離した。
「ディエゴ様」
ファビアの上気した顔に釣られないよう必死で耐える。
「ああ。愛してる。だから大切にするって決めた。結婚まで…とっとけ。結婚したら…気絶するくらい…抱いてやるから」
「うん。わかりました」
納得したらしきファビアはそれでも隣でくっついて座っていたが少し落ち着きを取り戻したディエゴはそういえばと思った。
「ダイアナが俺と結婚する前でまだ間に合うとか言ってなかったか?それはどう言う…」




