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久しぶりのレイナルド

さすが帝国の舞踏会だ。

ガーディアンとは規模がちがう。

帝国では建国記念祭が一年で一番大きなお祭りだ。

その最後を飾る舞踏会には帝国内の主要なメンツがそろっていたし、帝国の友好国も招待されていた。


前世でも当然招待はされていたのだが、ファビアは参加したことはなかった。

ガーディアンからフロレンティーナ王女がアーグフルト皇子に嫁いでから友好国となったので、招待状は毎年来ていたが、関係がよかったわけではなく、そのころすでにガーディアンは衰退の一歩を踏み出していたから、外交も二の次になっており、おざなりになっていたのだ。


それを思えば、今この場所に顔を出しているレイナルドは初めてミルアー帝国に足を踏み入れたガーディアン王家の人間ということになる。


「やぁ。ファビア嬢。元気そうで何よりだね」


舞踏会が始まる寸前にレイナルドがファビアに会いに来てくれた。


「レイナルド殿下。ガーディアンは今大変でしょうに。わざわざいらしたのですね」


王妃が失脚して立て直しと改革に大変のはずだ。

レイナルドは新興貴族を登用しようと画策しているらしく、古参の高位貴族がどんどん追いやられていくのだと、エリナからの手紙にはしたためられていた。

アクランド男爵家も定期的に王宮に参内できるようになったと嬉しそうに書いてあった。


「ああ。キミを一目見たくてね。リカルドにはこんな時にそんなところに行ってる場合ですかと怒られているんだけどさ」


そしてウインクした。

ファビアは目を疑った。

ウインク…。するような人だったかしら。

変わったのかしら。レイナルドも…。


驚きで言葉を発せずにいると、扉がばたりと開き、ディエゴが入ってきた。


「ファビア。そろそろ……」


そしてレイナルドがいることに気づく。


「おや。レイナルド殿下。来てくださったのですか。これはうれしいことだ」


ファビアと同じ白地に藍色と金糸をところどころにちりばめた豪華な軍服に身を包み、現れたディエゴは息を呑むほどに色気たっぷりで美しかった。


ディエゴはファビアの隣にやってくると、牽制するかのようにファビアの腰に手をまわした。


「今日は存分にお楽しみください。わたしたちはこれからともに会場入りいたしますので、これにて失礼」


ファビアの腰をくいっと引っ張ると自分のほうに寄せ、そしてくるりと向きを強引に変えた。


ファビアは少し面食らいながらもディエゴにエスコートされ、その場を後にする。


「ディエゴ様。ちょっと痛いわ」


「え?あ…悪いな」


コソコソと会話している2人を見て、レイナルドはやはりお似合いだと目をつむった。

そろそろ俺も他に目を向けるべきだな…。

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