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王宮晩餐

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後からですみません。

その日の晩餐は、第五皇子、第六皇子はおらず、皇帝と皇后、そして、第四皇子と第四皇女、第五皇女がいた。

ディエゴからは事前に聞いていたが、晩餐だけは予定のない者は全員で摂るのがフェルナンデス家のしきたりらしい。

これだけは皇帝が変えないのだと苦々しそうにディエゴは言っていた。


昨日も全員いたのだが、あまりに皇后と第六皇子の存在感がすごく、他の皇子皇女たちにまでまだ気を回せないでいたのだが…。

今日は観察できそうだ。


この皇子や皇女だが、みな母親が違う。

この皇帝。相当なる女好きだとわかるが、各子女の母君はこの晩餐にはいっさい参加できないらしい。

皇后が阻止しているというのだ。

皇后は皇帝の浮気はしぶしぶ認めたが、その妃たちを晩餐の席に招くことは絶対に許さなかった。

ディエゴの母君始め、妃たちはみな離宮に住んでいる。


ちなみに妃教育で習ったところでは、フェルナンデス家の子女は第一皇子と第二皇子は身体が弱く早世しており、第三皇子がディエゴ、第四皇子のゲイリーは身体が弱く神官になる予定。第五皇子のイアンは健康で武力系は弱いが聡明で、ミルアーの頭脳となると期待されており、第六皇子アーグフルトは言うまでもない。

第一皇女、第二皇女、第三皇女ともに隣国へ嫁いでおり、第四皇女のティナ、第五皇女のアナベルはファビアよりまだ若く、他国への婚姻待ちらしい。



皇帝陛下は相も変わらずディエゴと同じ美貌を無表情にスイスイと食を進めていく。

やはり感情が感じられないわ。


なぜなのだろうとファビアは思う。

今日農園での職員の感じだと皇帝は民からはかなり愛されているように思えるが…。


ここでの皇帝を見るととても民のために尽くすような皇帝には思えないのだけれど…。


皇子、皇女たちは視線を合わせないように観察している限りでは、皇帝陛下には誰一人反論せず静かに晩餐を進めているように見える。

昨日も唯一アーグフルト皇子だけが雄弁に話をしていたイメージだ。


皇后は常に機嫌悪そうにしていて、侍女や給仕たちにもやれ味が薄いだの、持ってくるのが遅いだの注文が多い。

その度に召使たちはびくびくしながら対応している。


皇子や皇女たちには一切声はかけない。

ファビアに関してもまったく声はかけず、悪意のこもった視線のみ投げかけてくる。

それは皇帝陛下がいようがいまいが関係ないらしい。


ファビアはその視線をうまく受け流し、食べることに集中していた。

全て毒見済みの冷たい食事だったが、それでも王宮の農園であの職員たちが愛情をこめて育てた農作物でつくられたものなのだからと噛み締めて味わった。


たしかにおいしいわね。

きっと肥料もいいものを使っているのね。


ファビアは食材をよく噛み締めながら、明日はどこへ行こうかしらと考えていた。


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