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初!ミルアー皇太子宮


ファビアが通されたのは王宮の東側に位置する皇太子宮。妃を沢山持つ皇帝だけあってとても大きな宮殿だったが、ケヌアで建築されたその建物は簡素な造りで、冬になれば寒いのではないかと思うくらい風通しがよかった。

ミルアーは暑いからちょうどいいのかもしれない。


皇太子宮の侍女からここで待つように言われ、父母弟の3人は別部屋に通されている。


事前にミルアーの王宮のしきたりとして教育を受けた限りでは、このあと半年、ここで婚約期間を過ごすことになる。

その期間は禊の期間であり、決して男女の関係になってはいけません。と教えられたが、そのあとでこそっと、ということになっております。と言われたということは、この間に普通に男女の関係になる場合も多々あるということだろう。

ディエゴの場合どうするつもりなのかは知らないが、ディエゴの部屋はこの奥ですと説明され、どうやら内部でつながっているらしいということがわかり、『うーん』とファビアはさっきからうめいている。


これって…。

絶対…。


ディエゴに最後に会ったときのあの巧みな感じは…。


いや、あまり考えないようにしよう。


いずれにしても結婚式まであと半年。ここで綺麗な身で過ごした後、諸国から来賓を招いて結婚式をするのだそう。

その間に、ファビアの仕事としては、ミルアーの社交界に慣れなさいということらしい。


「リズ。着替えるわ」


「はい。ファビア様」


一緒に来て欲しいといったらリズは二つ返事でOKしてくれた。

ミルアー語がわからないだろうに少しずつ勉強したようだ。


これから大変だろうが、リズがいてくれるだけでも心強い。


「湯あみの用意ができておりますわ」


どうやらガーディアン語ができる侍女を一人用意してくれたらしい。

リズとのコミュニケーションがとれるので助かる。


「そうなの?じゃぁ湯あみしようかしら」


旅の疲れもある。少しまったりしよう。


そうしてファビアはゆったりのんびりと湯あみをした。


桶が木でできていたので少し驚いたが、すごくいい香りが漂っていて、リラックスできる。

木ってこういう効果もあるのね…。


桶の中で眠りそうになるほどゆっくりつかったあと、夕刻以降の顔合わせに合わせて用意されていたエメラルド色のドレスに着替えたところで、突然扉がノックされ、ばたりと開いた。

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