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戦い、幕を切る
今回短いです。すみません。
レイナルドから連絡がきたのは、夏の暑い盛りだった。
『ブラック上へ』
暗号だ。
黒幕が動き出した。という意味。
ついに…。
やはり、1年が近づいているのにピンピンしている国王を見てヤキモキし始めたのだろう。
黒幕はおそらく、あの時の取引相手と接触するはずだ。
そこを狙いたいとレイナルドは言っている。
「おそらく直接本人が動くことはないだろうが、取引中に捕まえればそこから辿ることができる」
その日の夜に公爵邸にやってきたレイナルドの計画を聞いていた時だ。
扉の外からセドリックがコツコツと扉を叩いた。
今やセドリックは信用できる者として、この計画の内容も知っている。
「殿下。伝令がきました」
紙切れを一枚レイナルドが受け取ると内容を確認するなりがばっと立ち上がった。
「取引に向かうようだ」
「行きましょう。殿下」
「そんなところにファビア嬢を連れて行くわけにはいかない」
「いいえ。もともとはわたしが言い出したことから始まったのですから。一緒に向かいます」
「だが…」
「何をおっしゃっているのです。国を左右するのですよ。早く行きましょう」
ファビアも立ち上がると半ば強引にセドリックに馬車を出すよう促した。
さあ、始まる。
この国の中心部にある純血信仰との戦いが。




