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オフシーズンは王都で

レイナルドが留学先の学友からのコネクションからマリウアの実の冷凍保存を取り寄せ、ミラージェス伯爵が頭脳を駆使して解毒剤を抽出してからはなんとか平穏な日々が続いていた。


レイナルドがファビアに送ったマリウアの花はバレないようにミラージェス家の温室に持って行き、育てられている。


レイナルドは国王陛下にこの話を打ち明けたようで、陛下は今薬を盛られていることを知りながら、日々解毒剤を飲む日々だ。


身体に不調をきたす前でよかった。


そんな中そろそろ冬が終わり、社交シーズンは終わりを告げようとしている。

ファビアは今シーズンは父のエスコートで断り切れない夜会や、お茶会には出席したが、相変わらず最小限の付き合いしかせず、いつもどおりエリナやマチルダ、マリアと楽しく4人でお茶会を楽しむのが常だった。

それ以外は、アランをつれて剣術の稽古に出かけていたが、ジーニアはもう何も言わなくなっている。


何度言ってもきかないし、なんと言ってもディエゴに言われているからどうすることもできないのだ。


そんなディエゴからくる手紙はそっけないもので、一応文通したいといった手前、1月に1通くらいは送ってくるものの、紙1枚に5行くらい書いてあるのがせきの山のただの『元気か?元気だ』みたいな手紙だけだった。


ファビアのほうは長ったらしい手紙を送っているにもかかわらずだ。


「ファビちゃん。今年も領地へ戻るの?」


「え?ああ。そうですわね」


キャロライナから聞かれて、言葉に詰まる。

正直決めかねている。

どうにも王宮の毒物事件が気になり、領地に引きこもっていられない。

そろそろ症状が出てきてもおかしくないのに、出てこないとなると、犯人は焦りだすだろうし…。


「こちらに残るのなら、わたくしも残るわよ。アランも最近こちらの方が楽しいみたいだし」


そういうキャロライナも夫人同士のお茶会を楽しんでいる。

アランも同じくらいの歳の友達をお茶会で見つけたようで、仲良くしているらしい。


「そうですわね。こちらにいようかしら」


メイサもまた2人目を妊娠してるみたいだし…。

乗馬もままならないなら…。


「では。決まりね」

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