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もしかして…

「おまえまさか…」


「な、なんですか?」


おかしいと思ってるわ。どうしようっ・・!


「そうか…」


ディエゴがくすくすと笑い始めた。


「え?な、なにっ?」


「道理で、おまえが…。おかしいと思ったんだ」


クスクス笑い続けている。

ファビアはどうしたらいいのかわからず黙り込んでしまった。


「おまえ、おかしいと思わなかったのか?俺が戦争狂じゃなくなってることが」


「え?」


「昔は戦争狂だったし、今でも領地を拡大するために日々戦争に明け暮れていたはずの男がどうして戦争もせずにのこのこガーディアンの舞踏会に来てるのかって思わなかったのか?」


「殿下?あなたもしかして」


「ファビア。おまえも…」


「「転生者?」」


2人同時に言ってから、茫然としてファビアは目の前でにやりと笑ったディエゴを見た。


「納得がいった。だからこの能力も共有できるんだな。お前もあのへんてこな女神に会ったのか?」


「ええそうですわね」


女神ルーの裁判を思い出す。

ほんとにへんてこな女神だった。


苦笑していたらディエゴがふっと真顔になった。


「いろいろ話したいことはあるが、もう舞踏会は終わりそうだ」


「ほんとだわ」


ガヤガヤと帰り始めている人もいるようだ。

このあとは、気の合った者たちが夜を飲み明かしたり、男女の仲を深めたりする。


ジーニアもファビアをそろそろ探し始めているだろう。


「今回、1週間ほどこちらに滞在しているから、その間にそちらに伺おう。夜遅くに窓に合図する。さきほどの薬の話もそのときに詳しく話そう」


「わかりましたわ」


「公爵の元まで送り届けよう」



ディエゴにエスコートされたファビアが自分の元に戻って来たのを見て、ジーニアは驚いた。


「これはこれは、帝国の皇太子殿下がわが娘をエスコートしてくださるとは」


最近そういえば戦争狂という噂は耳にしなくなったなと思いながら、深々とお辞儀をする。


「さきほど庭のほうを歩いておられたのでお連れいたしました。あの辺りは危険ですからね」


「そうですか。庭を…」


ファビアなら男に襲われても逆につるし上げるだろうと胸の奥で苦笑いをしながらもジーニアは礼節をたがわずきちんと挨拶をし、「それでは」と去っていくディエゴを見ていた。


ミルアーの皇太子か…。




そのころ、廊下をディエゴにエスコートされて歩いているファビアをレイナルドが遠くから見ていたことなど、ファビアは知らない。


ファビアがディエゴに笑顔を向けているのを…。


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