王庭にて…
今回短くてすみません。
誤字脱字訂正、★、いいね、ブクマ、ありがとうございます。
「ファビア嬢。舞踏会が終わったら公爵邸まで送るから、またさっきの部屋まで来てくれないか」
「はい。ありがとうございます。ですが、父が来ておりますので父と共に帰りますわ」
「そうか。公爵と帰るのだね。わかった。ではまたね」
よかった。これで注目されずに済むわ…。
ファビアはその後、無難にダンスを何回かこなし、父と合流すると主要な貴族への挨拶に回り、今日の公爵令嬢としての任務は全て終えたので少し風にあたろうと王宮の庭に出た。
王宮の庭は広く、舞踏会や夜会などでは若い令嬢が外に出ていると襲われるという話もよく聞くが…ファビアの場合、襲われたって一撃で倒せるくらいの自信はあるし、剣術を本格的に習い始めてから気配を感じる力も強まっているから少々なら大丈夫だろうと、少し奥まで行ってみる。
とにかく人のいないところに行きたかった。
悪口だけ鮮明に聞こえるというのも疲れるのだ。
少し先にあるガゼボに腰掛けようと、スタスタ歩いていた時のことだ。
それは不意の出来事だった。
後ろから、口をふさがれたのだ。
えっ?!
何も気配を感じなかった!
心臓がバクバク鳴り響いている。
だが、冷静にならなければと、相手のみぞおちに肘鉄を食らわせようとしたのだが、相手のほうが上手だった。
躱され、くるりと相手と向かい合う形に身体を回転させられてしまう。
「きゃっ!」
さすがに絶体絶命のピンチと思って顔を見たら…




