キャラメイキング
家に帰り着き、鍵を開け入る。
「ただいまー」
「おかえり、天馬」
リビングの扉が開き、姉の智秋照凛が顔を覗かせる。
姉は僕の3つ上で現役大学生であり、βテスターでもあった。 本人曰く、ゲームやってお金貰えるなんてラッキーだったわと言っていた。
「今日のご飯は何?」
「お婆ちゃん特製のハンバーグよ」
「やったね! でもどうして?」
うちの家族構成は祖父母、父母、姉、僕という3世代で4階建ての2世帯住宅に住んでいる。
普段はキッチンも別れているため、食事が出てくることはない。
今日は父さんも母さんも仕事で遅くなる日だ。 姉さんは料理が全く出来ないので、料理を作らず済んで大変助かる。
「私と天馬に話したい事があるんだってさ。 もうテーブルで待ってるから、早く手を洗ってきなさいよ」
「わかったよ」
鞄を自室に置きにいき、手洗いをしてリビングへと向かった。
「天馬ちゃん、お帰りなさい」
「天馬、おかえり」
「ただいま。 お婆ちゃん、爺ちゃん」
祖父母に挨拶をしながら、席に着く。 テーブルにはメインのハンバーグの他に、サラダとオニオンスープがあった。 とても美味しそうだ。
「じゃあ、食べましょうか」
「うむ、いただきます」
「「いただきます」」
爺ちゃんが挨拶をし、それに倣う。 そして食べ始める。
「食べながらでいいから聞いて欲しいんだけど」
「どうしたの、お婆ちゃん?」
「実はね。 私とお爺さんもラフォーをしようと思うのよ」
お婆ちゃんがゲームをやるというなんて珍しい。 それも爺ちゃんを伴ってとは。
「ずいぶんと元気なのねー」
「逆よ、逆。 もう私達も年を取りすぎて遠出する気力が無いのよ」