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それなのにこの状況はどういうことでしょうか? 今、私の目の前にいるのは、言い争いあう二人。アラン様とライアンである。


アラン様が私の家に頻繁に訪れていることを知ったライアンが、以前より頻繁に私の家に訪れるようになった。しかも、アラン様も会う日数を増やしてきた。そうすると、アラン様と会う確率も増えてくるというもの。そして今日、使用人たちも頑張って対策をしてくれていたにもかかわらず、二人は鉢合わせてしまった。


「マルティス殿。公爵家長男とあろうお方が、こんなにも頻繁にユリの家を訪れて大丈夫なのでしょうか? 私の記憶が正しければ、そろそろ学院の飛び級試験がありますよね?」


学院とは、貴族であれば強制的に行くことになっており、将来国を引っ張っていくための知恵を身に着ける場所である。そして有力貴族の長男はそこの飛び級試験を受けることになっている。国を引っ張っていくには、経験と実績が一番大事だとされているからだ。

確かに、公爵家の長男であるアラン様は飛び級試験を受けるはずだろう。試験まであと1か月をきっているのに、私を訪ねても平気なのだろうか? そう思ってアラン様を見た。すると、アラン様は私の視線に気づいて笑顔を見せる。


「大丈夫だよ。ユリアナ。僕は、飛び級試験を受けないから。」


「え? 何故ですか?」


「だって、どうせ学院にいくのならユリアナと一緒に学んだ方が楽しいに決まっているじゃないか。それに、そんなことに構う時間よりユリアナに好きになってもらうために努力した方が時間を有意義に使えるからね。」


さも当たり前かのように、そう言って私の頬に触れようとしたアラン様の手を、ライアンが掴んだ。


「何をしようとしているのですか? あなたはユリの()()()()()()ですよね?」


「……今はね。少なくともただの幼馴染よりは有利な位置にいると思うよ?」


「へぇ?」


どんどん険悪な雰囲気になっていく二人。火花が見える気がしますわ……。というか、ここ私の家なんですけれど!? 私の家でバチバチやりあわないでくれますか? 外でしてくれませんかね? そろそろ止めようと思って口を開こうとすると、同時に二人が私を見てきた。えっと……な、何なんでしょうか?


「ユリは俺の方が大事だよな? こんななんでもない奴よりも。」


「へ?」


「僕の方が君を幸せにしますよ? こんな弱虫なただの幼馴染よりも。」


「あ、あの?」


「なぁユリ。」

「ねぇユリアナ。」


いや怖いですから! 二人して迫ってこないでください! いや私分かってますよ!? どっちか選んだら絶対めんどくさいことになりますよね!? 


「……えっと、私少々失礼いたしますわ!」


そう言って私は険悪な雰囲気から逃げるようにして、部屋を退出した。あの空気の中、私が何か言ったとしても、より空気が悪くなるでしょうし、そう、戦略的撤退ですわ! ただ、あの空気が嫌だから逃げたかったわけではありませんわよ! ……戻りたくないですわね。

少しでも面白いと思われましたら、☆評価・ブックマーク・感想などお願いします(*- -)(*_ _)ペコリ

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