8.犬猿の仲です…
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侍女がやってきたところから始まります。
「どうしたの? お茶もお菓子もまだあるわよ?」
アラン様がいる時に侍女が途中でやってくるのは初めての事だったので、私は不審に思ってそう聞いた。侍女は何やら焦っているかのように、やってきた道を振り返る。そこには、私の幼馴染のライアンがいた。
「ライアン? 今日は訪問の予定は入っていなかったけど? どうかしたの?」
「いや、近くを通りかかったから――。」
「茶会振りですね。クック殿。」
「……そうですね。マルティス殿。」
ライアンが、アラン様を見つけて言葉が止まって、あからさまに表情を変えた。そしてライアンを見たアラン様は立って、ライアンに挨拶をした。この二人が話している所を見たことは無かったが、どうやら仲が良いということは無さそうだ。
「どうしてマルティス殿がこちらに? マルティス公爵家とアンダーソン侯爵家は仲があまりよろしくないと聞いたのですが。」
「いつまでも身分が高い貴族同士が険悪なままだと国も混乱するでしょう? ですからこうやって仲を深めているのですよ。それこそ、クック殿はどうしてこちらに? 前々から予定を入れていたわけではないようですが。」
「俺……私はユリの幼馴染で一番の理解者ですから。」
「……そうですか。ただの幼馴染なんですね。僕は、ユリアナの婚約者なのでただの幼馴染殿にはご遠慮頂きたい。」
「え!? あ、アラン様?」
急に何を言い出すのかと思ってアラン様を見ると、後ろから冷気を感じた。振り返るのが怖いですわ……。
「……ユリ。どういうことだ?」
後ろにいたライアンが低い声でそう言う。…ライアンの機嫌があからさまに悪くなった。明らかにアラン様に敵意を向けている。こんなライアンは見たことがない。アラン様もアラン様で、そんなライアンからの視線をひるみもせずに見つめ返して、いや睨み返しているようだった。
「婚約者じゃないわ。ただ話が上がっているってだけよ。」
「だ、そうですが?」
「いつかはそうなるのだから、間違ったことは言ってないですよ?」
いや、仲悪すぎませんか? この二人。犬猿の仲というか馬が合わないというか……。一刻も早くこんな所から抜け出したいですわね。空気がピリピリし過ぎです。あぁほら、ライアンを連れてきた侍女もおびえていますわ。可哀そうに……。ケンカするなら外でやって欲しいものですわね。
取りあえず今日は二人にお帰り頂いた。両者とも不服そうにしていたが。こんな状況2度とごめんですわ。そう思って、ライアンとアラン様の二人を会わせないようにと、使用人に指示した。
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