プロローグ
2018年夏某日
担任「俺、ちょっといいか?」
俺「何ですか先生?」
担任「俺は東京オリンピックのボランティアって知ってるか?」
俺「知ってますよ。なんか8万人募集でしたっけ。すごいですよね。」
担任「知っているなら話が早いな。俺、東京オリンピックボランティアに申し込んでくれ。」
俺「えっ!?なんでですか?」
担任「知っての通り8万人集めることは大変だ。だから高校や大学を通じて、今のうちから募集をかけているのさ。」
俺「でもなんで俺なんですか?」
担任「これは先生の予想だが、夏暑い中で長期間のボランティアをするだろう。うちのクラスで、それに耐えられる生徒が俺しか思いつかなかった。」
俺「いやですよ。夏暑い中ボランティアなんて、いくらオリンピックでも嫌です。」
担任「俺、お前は絶対に参加しなければ駄目だ。この学校からボランティアを指定された人数出さないと、私は大変なことになる。お前だって、卒業後に担任がクビになってたら嫌だろう。私の立場も考えてくれ。妻と娘もいるんだ。」
俺「わかりました。じゃあ申し込んできますね。」
今思えばここで断っておけばよかった。
あんな地獄に行くくらいなら、
エアコンの効いた部屋で東京オリンピックを楽しめばよかった。
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