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8話.轟く業、絶望のワンサイドゲーム。

 教室に着くも、そこに志島骸斗の姿はなかった。

 念の為、明治さんには俺から離れて行動してもらう。


 ラインで報告が来る。


「天馬先輩に伝えてきた」

「どうだった?」

「サポートはするけど念の為に気を付けて、だって」

「そっか、ありがとう」


 天馬先輩が支えてくれる、それは妙な心強さがある。


 とりあえずは席に座ろう。椅子を引くと、画鋲が敷いてあった。

 これも恐らく志島の仕業だろうな。そいつらをすべて取り除いて座る――


「――痛っ!?」


 まだ画鋲が残っていたのか!?

 違った、椅子の中に釘が埋め込まれていた。先端だけ突出するように……。

 この椅子はもう座れない、仕方なく千刃の椅子と交換をする。


「いって!!」


 机の裏にもおびただしい量の画鋲が貼り付けられていた。

 マズイ、気を付けてはいるものの奴の策略にまんまとハメられてしまっている。


 ラインでメッセージが来る。


「どうだい? 普段の君を労って(はり)治療をしてあげようと思ったんだ。気持ち良いだろう?」


 志島のやつ、どこまでも俺をおちょくってくる。

 ――このタイミングでピンポイントに……志島、どこから見ているんだ?


 周りをキョロキョロすると、クスクスと皆から笑われる。


「キモ、頭おかしくなったんじゃない?」

「あーあ、イジメすぎて壊れちゃったんだ、アハハ!!」


 教室が笑いの渦に包まれる。

 普段ならへそでも曲げたりしょぼくれたりするかもしれないが、全く気にならなかった。

 それ以上におぞましい危険がこの中に潜んでいるのだから。


「うっぷ」


 突然ガクッと気分が悪くなり、吐き気がしてくる。

 トイレに急いで嘔吐する。

 どんどん気分が悪くなってくる、鏡の中の自分は酷くやつれていた。


 『Gaito.Sからメッセージが届きました』、俺の気なんてお構いなしにラインの通知がやってくる。


「ついでに針にはリラックスできる薬も塗っておいたよ。これで今夜はぐっすり眠れるね」


 こいつ、狂ってる。このトイレにも何か仕掛けられてるんじゃないかとつい疑ってしまう。

 志島の野郎、どこから見ているんだ? 間違いなく、どこかから見ているはずなんだが。


 俺は教室に戻らず、職員室に行った。

 境太郎先生にこの事を相談する。


「志島君が、ですか。申し訳ありませんが私にはわかりかねますね」

「そうですか……」


 無理も無いだろう、志島は姿を見せないのだから。

 しかし境太郎先生は朝会が始まる前に教室にやってきてくれる。協力してくれる、その姿勢が有難かった。

 机も千刃のものと交換して一息つく。


 志島は今いない、もしかしたら何か志島の机に仕掛けが施されているのかもしれない。

 なんて思って調べては見たものの、杞憂に終わる。


 どこにいるか分からないなら、これ以上探しても意味がない。

 むしろここから大きく動くのは危険だ、奴はこの教室にはもうこれ以上の仕掛けができない。

 だから、自分のこの席が一番安全なのだ。


 チャイムが鳴る。


「それでは、朝会を始めます」


 境太郎先生は空席を眺めた。


「……明治さんと、伊賀くん、それに志島くん。何か連絡を聞いたものはいますか?」

「先生、伊賀くんが」


 俺は手を挙げて、それだけ言った。

 先生は俺の方を見る、俺が志島の席に目を向けると全てを察したようだ。


「座りなさい、伊勢崎くん」


 クラス中がなぜかクスクス笑いに包まれる。

 ――スマホが振動する。メッセージだ。


「10」


 謎のカウントダウンだ。何のカウントだろう。

 カウントはひとつずつ減っていく。

 冷や汗が額を流れる、脈打つ心臓が加速する。

 3、2、1――何かがカチッと音を立てた。まずい!


「――伏せろ!」


 机の真下に身を隠す。クラス中は俺の行動に呆然としていた。

 直後、目の前の机が強烈な音を立てて爆発する。

 間一髪だ、俺はどうにか爆発の衝撃から免れた。しかし、他の奴らは……


「いってぇ……!」

「先生、なんか刺さったぁー!」


 教室中にカッターの刃が撒き散らされている。恐らく机の中に仕込んでいて、爆発と同時にそれが吹き飛んだのだろう。まさか画鋲もこのために……。

 イジメっ子共にはざまぁみろと言いたいところだが、流石に笑えない。


「大丈夫ですか、皆さん」


 先生が生徒達の受けた傷を見ている。


 ――俺の目下には錆びたカッターナイフの刃が落ちている。

 もしも、すこしでもズレていたら……鳥肌が立つ。


 そして俺は気付いた、これはイジメなんかじゃない。志島骸斗、奴の好奇心がこんな行動を引き起こしているんだ。


 メッセージが届く。


「運が良かったんだね、でもまだまだ終わらないよ。覚悟することだね」


 まだ何かを仕掛けている、そんな口ぶりだ。

 無傷の俺をどこかで見ているはずだ。こちらを見ることができて、かつ安全な場所……ロッカーの中か!?

 しかし、中にはバケツだとかモップだとか、そんな物しか無い。教室の外には当然いないし、窓の外にもいるはずはない。

 いや、遠くの建物から望遠鏡を使ってこちらを覗いている可能性がある。考えにくいが。


 ――考えるだけ、無駄かもしれない。尻尾を出すまで待つしかない。


「今、どこにいるの?」


 明治さんにラインを送る。

 すぐに返信が来た。


「部室。部長も一緒にいるよ。天馬先輩が志島くんのこと探しているから、頑張って!」


 郷大公部長。あの人は心強く見えるし明治さんは大丈夫そうだ。

 ホッと胸を撫で下ろす。

 既に志島に危害を加えられていた、俺が目を離していたせいで……そんな事態にはなっていないようで良かった。

 天馬先輩からの報告を待とう。


「複数の怪我人が出ましたが、授業を開始します」


 境太郎先生が言う。

 しかし、生徒の皆は反発した。休校にしろ、警察を呼べ、そう主張するのだ。それは確かにもっともな意見、だがそれは、学校のどこかにいるかもしれない志島を逃がす隙になってしまう。


「お静かに。このまま授業を始めます」


 若干威圧を含んだ言い方だった、その言葉には誰も逆らうことができない。

 荒れ果てた教室内だが、授業は無理やり開始された。俺にとっては若干都合が良い。


 授業中、天馬先輩からメッセージが届く。


「伊勢崎君へ、志島骸斗は行方不明ですが、1年3組36番の真宮(まみや)麗奈(れいな)という人も行方不明だという事が分かりました、一応報告しておきます」


 36番の真宮麗奈が行方不明。

 明治さんの二つ前、六列目最前列の席の女だ。髪が長くて暗い感じで基本は目立たない典型的な根暗女。俺をいじめるのだって、24番の狐鶴綺(こづるき)(じょう)という奴に気に入られるためにやっているというだけ。狐鶴綺がイジメれば真宮もイジメる、媚売全開のようなイジメ方をしているからすぐに分かる。


 しかし真宮麗奈は確かにここにいる。顔が見えないのは髪のせいで当たり前だと思っていたが……。

 授業中だが構わない、俺はすぐさま立ち上がった。


「どうしました、伊勢崎君」


 周りの皆はくすくすと笑っている。頭がおかしくなっただの壊れただのと同じ事を繰り返す。志島に傷を負わされたくせによく呑気に俺をイジメられるもんだ、ゴミ共め。

 しかしそんなゴミ共であろうと、無差別攻撃の的に置いておくわけにはいかない。

 教室中が俺の方を見る。が、しかし、真宮麗奈、お前は俺の方を見ようともしない。

 ――志島骸斗、尻尾を掴んだぞ。今ここでお前の凶行を止める。


 真宮麗奈の席、そこへと歩を進めるものの、座る人間は頑なに顔を上げようとしない。

 思いっきり奴の机を平手で叩く。


「志島、遊びは終わりだ」


 奴は何も言わなかった。しかし奴は、小さく、咳をするように笑った。

 いやらしい引き笑いに変わっていき、自ら長い髪をかき分ける。


「よーく分かったじゃん、伊勢崎くん……」


 小さく鼻にかけたような、ぼそぼそと鳴る独特な声。

 骨ばった形の顔に浮かぶ老けた目元は、志島骸斗そのものだった。

 躊躇いなくその顔を殴るも、すぐさま立ち上がって俺の拳を避けた。


「おおっと危ない、手が早く出るんだね。イヒヒヒ」


 悪い老婆のような気色悪い笑いだ。

 奴は自らの髪を引っ掴むと、そいつを俺にぶつけてきた。長い髪はウィッグだったってわけだ。

 振り払うと既にそこには志島の姿は無かった。


「先生、どこに行ったんですか」

「窓から飛び降りました」

「え!?」


 本当だ、窓が開いている。

 ここは三階だぞ、正気か!?


 窓の下を見るとそこには巨大なトランポリンが。

 志島はそいつにナイフかなにかで穴を開け学校の外へと走っていった。

 しまった、やられた。


 明治さんにラインを送る。


「志島が学校の外に逃げた」

「伊勢崎くん、無事なの?」

「何とか」

「そっか。追いかけるの?」

「当然だ」

「本当は止めたいんだけど、どうせ止まらないんでしょ? 気を付けてね」


 ごめん、明治さん。

 こいつは野放しにしたらいけないやつだから。

 心に押し留め、スマホを切った。


 教室を急いで飛び出す――が、滑って転んでしまった。


「いだっ!」

「躓いてやんの、だっせー!」


 ギャハハハハハ!!!!

 教室は笑いに包まれた。どうやら最前列の席の誰かが足を引っ掛けてきたらしい。

 お前らやってる場合か、馬鹿なのか!?

 まあいい、構ってる暇なんて無い! 急いで追いかけなければ!


 できるだけ早く校門まで駆けるが流石にこの時間差だ、見失ってしまう。


「クソッ、どっちにいったんだ」


 そうつぶやくとほぼ同時、ラインにメッセージが届く。


「後ろだよ」


 ――即座に振り向き目に映ったのは金槌を手にした志島。

 そして、俺の意識は闇の中に葬られた。




「う、うう……」


 唸りと共に目を覚ました。

 頭がグワングワンと鳴るような痛みを感じる。

 ここは、どこだ。


「おはよう、伊勢崎くん」


 この声は、志島。

 立ち上がり状況を確認する。

 どうやらここは大きな倉庫のようで、俺はその中の大きな四角い檻に閉じ込められている。

 足元まで檻と同じ構造のせいで若干居心地が悪い。檻には扉があるが鍵がかけられている。

 隣には縛られたピンクのパジャマ女が転がっている。恐らくは誘拐された真宮麗奈だろう。

 志島は檻の外から俺に話しかけてくる。


「ここは僕の実験場さ」


 ――あれ、スマホがない。


「ンヒヒヒヒ。探しているのは、これかい?」


 あれは、俺のスマホ!


「伊勢崎くん、僕の正体を見破った事は褒めてあげる」

「黙れ、この無差別殺人未遂犯が」

「誰に向かって、口を聞いているのかな?」


 志島は口角を大きく歪ませ笑っている。


「何か勘違いしているようだが、これは全て君をイジメるためにやったことさ」

「ふざけるな、爆弾で俺の家をぶっ壊すだなんて度が過ぎてる」

「君は何も分かってない……僕から言わせてもらえばね、他の奴らのイジメが生温すぎるのさ」


 志島は語りを続ける。それも、檻の外から鍵をちらつかせながら。


「おい、それを渡せ!」

「渡せと言われて渡すアホウがいるか。どうだい、僕のイジメは怖いだろう?」

「お前は間違っている。俺に対するイジメならまだいい、ただお前は赤の他人を巻き込んでいる。真宮麗奈を誘拐する必要はあったのか?」

「君がイジメられてる様を近くで見なきゃ意味が無いじゃないか。『おかしい、志島の奴はいないのに! 痛い、辛い! どこにいるんだ、クソッ!』ってなってうろたえている君を見なくちゃ、さ……」


 身振り手振りを加えてわざとらしく演技してみせる志島、最後には唾液を絡ませ大きく口角を歪ませた。


「そんな事のために真宮麗奈を誘拐して、クラスの皆が傷つくと分かりながらも爆弾を仕掛けたというのか……?」

「僕は、君をイジメる事ができれば、他の奴なんてどーーーでも、いい!」


 アッヒャヒャヒャヒャヒヒヒハハハハァ!!

 志島の高笑いが大きく倉庫に反響する。

 俺の心の内からフツフツと何かがこみ上げてきた。理不尽に対する、怒りなのか。


「俺はクラスの――全員から、イジメられている」


 そういう事にしておく。俺の仲間がいると悟られてはならない。


「当然そんなイジメっ子が傷ついたら、それは気分が良いさ――」

「もしかして、強がりかい? イジメっ子が傷ついたから僕はノーダメージだっていう強がりなのかい!?」

「ただ、これは違う。いきすぎている、れっきとした犯罪だ。確かにイジメをする奴は許せない。しかし無差別に人を傷つける事を厭わない、そんな奴はもっと許せねぇ!」


 志島の顔が歪んだ。それは明らかに快いものではなさそうだった。


「うーん、気持ち悪いなぁ。無駄に本心から外れた正義漢を気取ってるみたいだけどもさぁ、それもイジメられる原因になるって分かってんのかなぁ、それに……」


 志島が制服のポケットから何かのボタンを取り出す。


「君が何を喚こうとそこから出られないって事、わかってるの?」


 志島は躊躇いもなくそのボタンを押し込んだ。

 ――カチッ、カチッ。上から時計の針の音が響く。

 見上げると、なんと檻の上部中央に爆弾のようなものが貼り付けられてあった。

 爆発までの時間がそこに表示されている、残りは三分だ。そしてその横には、緑の丸ボタンがある。


「これから僕とゲームをしよう、制限時間までにそのボタンを押す事ができればタイマーは停止して君の勝ち。鍵を開けてあげよう」


 そんな説明をされている間にも時間は過ぎて行く。

 必死にジャンプをするが、一向に届きそうにない。身長が二倍になっても届きそうにはなさそうだ。


「ま、無理だろうけどね!!! イヒヒヒヒ! じゃあね、僕は爆発に巻き込まれないように、どっか遠くに行くからさ」


 志島はぶらぶらと手を振りながら倉庫の出口に歩いて向かって行く。その後姿から、戻ってくる気配はなさそうだった。

 何がゲームだ、こんなのただ俺を殺そうとしているだけじゃないか。

 それに隣には無関係の真宮さんがいるんだぞ。彼女、息はしているようだが意識はない。深い眠りに落ちているのだろうか。

 どうにかできないか、檻にしがみついて、蹴って上に……なんて事も駄目だ、届きそうにない――

 ――ん?


 檻を蹴ると若干だが、檻がグラつく……


 タイマーは残り一分半。間に合うかもしれない。

 そうと決まれば早速実行だ。

 真宮麗奈が縛られている縄はなんと蝶結びになっている。そいつを解いて真宮を俺の背中に縛り付ける。

 そうして――檻の前面に向かって跳び上がるッ!

 檻に全力でしがみつくと、前の方向へ傾き出した。

 俺と真宮の重みが四角い檻を傾けているのだ。このままならゆっくりとだが回転し、爆弾に手が届く。

 しかしそんなに時間はない、気が付けば時間は既に10秒を切っている。

 ――檻を掴んだまま蹴り込む。傾いている状態ならばこれですぐさま回転してくれる。

 鈍いがしかし大きな金属音が頭を揺らすように響き渡る。足が若干痺れるが、回転した檻に無事着地する。

 志島はその音に身体を震わせ、こちらを振り向いた。


 5秒。

 ――跳び上がれ。

 4秒。

 しがみつけ。

 3秒。

 ――手を伸ばせ。

 2秒。

 ボタンはすぐそこだ。

 1秒。

 ――届け。




『爆発ヲ、中止シマス』


「……へ?」


 無機質な機械音が倉庫に響き渡った。


「ボタンを押したぞ志島、鍵を開けろ」

「ひ、ひやああああああああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」


 素っ頓狂な悲鳴を上げた志島はスタコラサッサと逃げていく。


 ――まだ俺は真宮麗奈を背負っている。これはお前が俺に残した油断というやつだ。

 人の命を軽視したその罪の重み、無関係な人々を巻き込んだお前の罪の重というわけだ。

 重すぎる罪に潰されろ、志島骸斗。


「――復讐させてもらうぜ」


 跳び上がり、また一つ檻を蹴り上げる。

 ガンッ!! と激しく音を立てて四角い檻はまた一段と回転する。

 俺はそれを繰り返す。

 回転する四角形の檻が志島に近付いていく。


「ハッ、ハッ、ハッ……」


 息を荒げながら間抜けな走りで逃げていく志島。

 倉庫の出口から逃げ出した所で檻はそれより幾分か小さい。簡単に抜け、逃げる志島を追いかける。

 ――追いついたその瞬間、志島の顔は恐怖に歪んでいた。


 ドガンッ!!

 最後の一回転に、罪の音が響き渡った。

 檻の下敷きになった志島。そのポケットから、スマホと鍵、それともう一つ。回収完了だ。




「う、うう……?」

「やっと起きたか、志島」


 倉庫の中、志島は檻の外の俺を見て愕然としたようだ。

 眠っていた真宮麗奈は目覚め、家に帰った。

 ここには俺と志島しかいない。

 そして檻の上部には――


「ば、爆弾ッ!!」

「気付いたか、志島」

「や、やめてくれっ! 頼むよ!」

「……? 俺はお前とゲームがしたいんだ、志島」

「嫌だっ! ゲームなんかじゃない! こんなの一方的なワンサイドゲームだろ! 頼む、僕を出して!! 出したら嫌な奴、伊勢崎くんをイジメるやつ全員やっつける! 僕がぶっ殺してあげるから!!」


 ――志島骸斗、お前みたいな極悪犯にはかける言葉など一切ない。

 倉庫の外へと足を運ぶ。


「そこに表示されるタイマーが切れるまでに、爆弾の横についているボタンを押すんだ」


 後ろから醜い命乞いの悲鳴が聞こえる。

 何を言っていようがもう耳を貸すつもりなんかない。


「それじゃあ、ゲームを開始しよう」


 志島のポケットから回収したボタンを取り出す。

 ようやく倉庫の外に出れた。眩しい日差しだ、そろそろ昼休みの時間かな。


 まあ、お前に残された時間は……0秒だがな。


「死んで皆に詫びろ」


 ボタンを押すと同時、倉庫の中から爆音が轟く。

 肌を灼く熱気がこちらまで吹き抜け、赤い炎が倉庫の中を包み上げる。


 1年3組9番・志島骸斗、報復完了。

 罪の報いを受け入れろ。

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