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作者: 心音

拝啓 直向きなクラス委員長へ 




 進学クラスは私にとって近寄りがたくて、怖かった。薄い壁のその向こう側はもっと厚い壁があるんだと思ってた。時折聞こえる笑い声が、たまに羨ましいだけで。


 入学当初は自分より名簿の後ろは全員男子で前も男子で、一年生の頃は一度も席の回りに女子がいたことはなかった。それはただ、自分のくじ運がなかっただけだけど。だからか、男子が少ないこの『クラス』はとても過ごしやすかった。趣味のプロ野球観戦で話し仲間が出来たし、他愛ない喧嘩が出来る友達も出来た。そこはとても温かかった。


先生からも友だちからも信頼されてる君と言葉を交わすようになったのは何時からだったけ? 私はずっと君を目で追っていたんだよ。ずっと、話しかけるタイミング探してたんだ。それは今もだけど。最初はただの嫉妬。でも、それが憧れになって……好きになった。手作りのねお菓子をあげたら、次の日に美味しかったって、わざわざ声をかけてくれたよね。初めて声をかけられて吃驚したけど、凄くね嬉しかった。女子が男子に話しかけるより、男子が女子に話しかける方が勇気がいるって聞いたから。尚更嬉しかった。だからそれから、ことあるごとに言い訳見つけてお菓子を渡したんだ。でも、少し後悔してる。バレンタインくらい素直に渡せたら良かったなって。義理だって言って渡さなかったらお返しくらい貰えたのかな? ホワイトデーまでずっとドキドキして待ってたんだ。少しだけ期待してた。私ってバカだね。最後のバレンタインくらい自分に正直になれば良かった。君は野球部の選抜メンバーでは無かったけど、毎日掃除が終わると走って部活に向かってさ。笑顔で野球に向き合い努力する姿は皆みてたよ。ずっとずっと君を見てたから私は告白はしないって決められたんだ。野球部は恋愛禁止って聞いたときどこぞのアイドルかと思ったら部内恋愛禁止で部外恋愛はOKなんだって? 初めてそれを聞いたときなんだそれって思った。でも、本気で甲子園目指してるんだなって。邪魔したくないなって。私は君と付き合いたい訳では無いんだ。だって、私達話が全然話が続かないでしょ? 私なんて漫画借りただけで相当舞い上がったんだから。ちゃんと分かってるんだ、君に相手にされてないって。それでも、諦められないのは私のエゴだって。君が美味しいって言ってくれた笑顔が眩しくて。君が私を呼んだその声がいとおしくて。ちゃんとわかってるんだ、君の事が好きだから。それにね、恋に恋してる時が一番幸せだってよく言うよね。そう思う。


好き

好き

好き 


嫌い

嫌い

嫌い


好き

嫌い

好き


君はずっと私の太陽だよ。 

たがら、卒業式の日が来たら……

少しだけ私の昔話を聞いてよ。

また、お菓子を焼いてくるから。

その笑顔で君の声で私を楽にしてね。




敬具 元クラスメイトより

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