プロローグのプロローグ
死んだ祖父の手記を書き起こしたものです。
少し長いので、連載小説として投稿していきます。
なお、名前など部分は編集していく次第です。
2012年12月、私の母方の祖父は死んだ。
今からもう6年も前の話になる。
祖父が危篤状態になったその日、長野県の南部では積雪があり、それはもう寒かったことを覚えている。
危篤状態になったのは深夜で、それでも親戚一同孫達も勢ぞろいして、祖父が逝くのを見守った。
ただ、なかなか逝かなかった祖父は、おそらく東京にいる弟が来るのを待っていたのだろう。
こちらは雪が降り積もっているにも関わらず、兄が危篤ということでノーマルタイヤで高速をぶっ飛ばしてきたことは、未だ忘れることはない。
祖父の弟が滑り込んで病室にやってきた途端、祖父の心拍と脈は衰えはじめ、やがて息を止めた。
私は最期まで祖父の手を握っていた。
そのぬくもりを感じていたかったのかもしれない。
それにしても、親族孫一同に囲まれて旅立った祖父は、たいそうの幸せ者である。
さて、前置きが長くなったが、祖父は入院時、太平洋戦争時代の記憶をせっせと手記に残していた。
その手記は祖父が自分で冊子にし、コピーをして親族に配布した。
私の実家にも3冊もあることは笑ってしまうのだが、その1冊を私が今持っている。
戦争時代を知る者も少なくなってきており、せっかくなので祖父の許可も無く、
このなろうに投稿しようと思う。
まぁ、コピーして親族中に配り回るくらいなんだからいいよね!
ということで、祖父の手書きの手記をPC上に晒していきたいと思います。