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第3話

 ~放課後~


彼女たちは授業が終わって帰ろうとする俺に声をかけてきた。


「綾人君一緒に帰ろう!」


「ごめん。お昼に言ったかもしれないけど、俺は雫に用があるから今日は雫と一緒に帰るわ。」


「えっ!?」


それをたまたま聞いていた雫は声を出してい驚いていた。


さらに、それを言われた彼女たちは肩を若干落としながら悔しそうな顔を一瞬した後で笑顔に戻して言ってきた。


「そっか!しかたないよね用事があるなら。」


「綾人君かっこいいから金城さんに襲われないか心配だな~笑笑」


「なんだったら、私たちも一緒に帰ろうか?心配だしさ。」


そんなことを言われてうつむいている雫を見てイライラしながらも、表面には出さないようにして俺は断った。


「いやいいよ。ほかの人には聞かれるのはあんまり好きじゃないから遠慮するよ。それに雫はそんなことするような奴じゃないのは俺がよく知ってるから心配しなくていいよ。じゃあそろそろ行くからお先。雫一緒に帰るぞ!」


「えっ、あっ、うん!!」


少し戸惑いながらもとてつもなくかわいいはにかんだ笑顔で俺のそばに来た。


こうして俺は雫と二人で帰りながら話せる状況を作ることが出来、二人で教室から出て行った。


俺たちが出て行った教室では・・・。


「なんか綾人君の様子がいつもと違くなかった?」


安田がそういうと徳富と榎本はそれにうなずきながらいう。


「そうだよね。いつもだったらもっと嬉しそうにして金城さんに白い目で見てるのにね。」


「そうそう。でも、綾人君が昨日の夜いろいろ考えたって言ったし今日は仕方ないんじゃないかな?」


「夕花の言う通りかもしれないね。明日からいつも通りに戻ると思うし私たちも帰りましょ。」


「そうしよっか!今日は三人で綾人君について話しながら帰りましょ。」


こうして、綾人のことに若干疑問を持ちながらも三人は帰っていった。


その頃綾人と雫は二人で帰宅路を歩いていた。


「「・・・」」


(こうして二人きりにすることが出来たけど、どうやって話を切り出していいかわからなくて困ったぞ。)


「綾・・前田君、私に用事があるって言ったけど何かあった?それとも何かの罰ゲームで一緒に帰ることになったの?」


雫はまるで前の世界の俺のようにビクビクして話しかけてきたのを見て俺はびっくりしつつ言った。


「そんなことよりもどうして雫は俺のことを前田なんて呼ぶんだよ。綾人でいいだろ。」


「えっ。でも前田君が前に名前で呼ぶなって言ったから・・。」


「あー、そっか。雫悪かったな、もう前みたいに綾人って呼んでくれ。それと、今までつらく当たってごめんな。許してくれとは言わないけどこれからもっと仲良くなっていきたいんだ。」


「えっえっえ!?う、うん。わかった。これからもよろしくお願いします。」


(よかった。いろいろと勢いで言ったから雫が全部わかってくれたかはわからないけど第一関門突破だな。)


「ありがとな雫。おかしなことを聞くかもしれないけど、俺が昨日までどんな感じだったか教えてくれるか?」


「え?う、うんいいけど、どうしてそんなことを聞くの?こういうこと聞くなら、いつも綾人君のそばにいる安田さんや徳富さん、榎本さんに聞けばいいのに?」


「いや、いろいろあってな。いつもそばにいる人じゃなくて、客観的に見ることの雫に教えてほしかったんだ。それと、あんまり言いたくないだろうけど、俺が雫に対しての対応とかを教えてほしいな。」


「う、うんいいよ。私の見てるだけだからあんまりわかんないけどそれでいいなら。綾人君は私に対して何もしてない。」


こうして俺は雫に昨日までのこっちの世界の俺のふるまい方や、雫への対応を聞いて驚くようなことがたくさんあった。


例えば、こっちの俺は雫に対して前の俺に対する雫の対応とうり二つの行動をしていたことや俺があの三人といつも一緒にいてイチャイチャしていたこと(これは今の俺としては鳥肌ものだ)、後はカースト順位が最上位にいること、唯一の救いはあの三人とは付き合ったりなどがしてないことだ。


「おっ。もう俺んちか。まだ聞きたいことがあるし、雫俺の家に寄っていくか?」


「えっ!?い、いいよ。私なんかが綾人君の家にいってもお邪魔になるだけだし。今日は遅いし私も家にすぐ帰るね!」


「そうか?まあいいか。明日も一緒に帰ろうぜ!なんだったら明日の朝一緒に行こうぜ。いろいろ話したいしさ。」


「え。う、うん分かった。でも私なんかと朝から一緒でいいの?安田さんたちと一緒にいるほうが楽しいんじゃない?」


「そんなことはないよ。こうして帰り道一緒に帰ったけど楽しかったし、俺としては雫といるのも楽しいしさ!」


「えっ!?///そ、そうかな?じゃあまた明日の朝ね。じゃ、じゃあね。」


「おう。また明日な。」


こうして雫と別れた俺はそのまま家に入って自分の部屋のベットにダイブした。


(うおおぉぉぉ。言った後から気が付いたけど、あれ半分告白みたいだったじゃねーか!でも、明日は朝から雫と二人で学校に行けるとか昨日までの俺と比べたらありえねえぐらい幸せだな。ここから雫との仲を深めていけばなんとかなるかもな。)


こうして、綾人が悶えている頃、雫は若干顔を赤らめながらボーっと夢に心地な状態で家につき、部屋にたどり着きベットにうっぷしてにやにやしていた。


(綾人君って呼んでほしいって言われちゃった///前みたいに呼べるなんて嬉しいな~//それに綾人君から明日の朝一緒に行こうって言われちゃった。どうしようどうしよう。緊張して今日寝れないかも!・・・でも、もしかしたら帰り道で私が言った罰ゲームが本当で、明日の朝綾人君に冷たくされてクラスのみんなから笑われたら私もう誰も信用できなくなっちゃうかも。ううん。綾人君はそんなことするわけないもんね!綾人君はこんな私にも優しくしてくれるんだから。それでも、最後に私の初恋の綾人君に優しくされたなら心残りはないよね。)


こうして、雫はいろいろな顔をしながら、期待と不安を持ちつつ明日に備えて寝るのであった。


一方、綾人は。


「どうしたのよ綾人?ご飯中になんかニヤニヤしていいことでもあったの?」


「いや、そんな大したことじゃないよ。」


「そお?あっ!もしかして未歩ちゃんたちからほっぺにキスされたとか!」


「えっ!?ないないない!!それで嬉しくなるわけないじゃん!てゆうか、なんで安田さんたちのことを知ってるのさ!?」


「何言ってるのよ綾人。未歩ちゃんたちなんて何回も家に来たことあるじゃない。それにどうしていつも未歩とか言ってるのに安田さんなんて他人行儀な言い方してるのよ。」


「いやまあ、いろいろあるんだよ。」


「そお?お母さんとしてはあの三人のうち一人でもお嫁さんになってもらえたら助かるんだけどね~。」


「ああ、そう・・・。」


(いやいやいや。俺はあの三人よりも雫と結婚して、お嫁さんになってもらいたいんだけどな。)


「ごちそうさま。食べ終わったし明日に備えて寝るね。お休み。」


「あらそう?おやすみなさい。」


(さあ、明日は雫と一緒に学校に通えるから楽しみで寝れるか心配だな。)


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