わたしの日常~幼稚園~
初投稿です。よろしくお願いいたします。
----私は物心ついた頃にはすでに良い子の仮面を付けていた。1つ上の姉は良く言えば天真爛漫、悪く言えば協調性のない人で、小さな頃からとても自由な人だった。4つ下の弟は体が弱く小学生に上がる頃には大学病院通いで母はべったりで、真ん中の私は両親からは放置されて育った。通常ならひねくれるかと思うが幸運にも父方の祖父母が同居しており、特に祖母とは大の仲良しで日本舞踊を習わせてもらえ、幼稚園に上がる頃には、結構な社交家になっていた。お稽古場のおば様方のぐちの聞き役に徹する事が出来る程度には。
「のんちゃん、今日もお願いね。」
母から幼稚園低学年に手渡される1000円札の入った小さな財布。
「うん!今日のお買いものは?」
財布をポケットにしまい、お使い品をたずねる。
「ようちゃんのお誕生日にお友達が来るからお菓子と大きいジュースを2本お願いします。」
幼稚園児にはちょっと荷が重い(重量的に)ので助っ人を要請してみる。
「ようちゃんと一緒に行ってもいい?お菓子好きなのえらんでもらう!」
母は優しく微笑み、
「もう少しでお絵かき教室から帰ってくるからそしたら二人でいってらっしゃい。」
続けざま、
「あ、お財布はのんちゃん持っててね!お姉ちゃんすぐ無くしちゃうから!」
過去の実績から、現状の財布係は姉ではなく自分である。姉曰く手からいなくなるのだそうだ。何故だ。
「余ったらちっちゃいチョコかっていい?」
「ちゃんと歯みがきするならいいわよ?」
「やった~」
お駄賃ゲットである。
ゆる~くはじまりました。