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発射のあとで  作者: xjw
9/30

賭け

 カナと、椅子に座って時間をつぶしていた。

「ねえ、ヒロってさ。他に好きな人、いるんでしょ?」

「えっ?どうして?」

「なんだか感じるんだ…。そんなふうに」


 ユリは不満そうだった。

「どうしたの?」

「賭けてたんだ…」

「賭け?」

「試験で点数のいい方が、甘いものおごるって」

「で、負けたわけか…」

「そう…。なんか、すごくくやしい。すっごい、勉強したのに」

「じゃあ、気晴らしに、なんか食べない?」

「…そーする」

 僕らは好きなものを買って、ベンチで食べた。

「少しは、気分、よくなった?」

「…うん」

「よかった」

 僕はユリのほっぺにキスした。


 カナと椅子。

「…うん。いるかもしれない。好きな人」

「そっか。仕方ないよね…」

 カナが僕の自然なほほの方にキスした。


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