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発射のあとで
サチと街をぶらつく。
「今日はなんだか気分いいみたいだね」
「うん。風がなんだか気持ちよくて…。だからなんとなく気分がいいの」
病院の廊下をカナと歩く。
「手、つなごう」
カナが言った。
僕らは手をつないで歩いた。
時計の動く音が聞こえそうな感じ…。
「なんか、雰囲気、やだな…」
「そうだよね」
「どうしよう?」
「もう喫茶室も飽きちゃったしね」
ユリと公園のベンチに座った。
「見て!ハトがなんだかおかしい」
ユリが笑っている。
カナと、外の見えるラウンジに来た。
「鳥だ…」
僕は、遠くを飛ぶ鳥を追った。
「スズメもいるよ」
つがいか親子か、スズメが群れて動いている。
「どうしてあんあことしたのかなあ?」
「あんなことって?」
「銃で頭を撃つなんて…」
僕は、僕じゃなくてもよかった。誰かを撃ちたかったのだ。
でもなぜだったのか?は、憶えていないけど。